FP1級(協会実技)の記述式対策について | エンちゃんの思いつれづれ

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2019年第2回CFP®資格審査試験で6課目一括合格を達成。2020年4月よりCFP®認定者。
マラソンでは「秋田内陸リゾートカップ100キロマラソン」20回完走達成。
「エンちゃん」の由来は、箱根園のゆるキャラ「縁結びのエンちゃん」。

 今回は久しぶりにFPに関する話題です。

 

 昨年9月13日に1級FP技能検定(協会実技)を受検してからもうすぐ1年。

 2021年の1級FP技能検定は、9月12日ですので、あと3週間ですね。

 

 この1級FP技能検定の特色は、【300字程度の記述式問題】があることです。

  ★厳密にいえば、300字程度ということで、原稿用紙のマス目は320字

    ぐらい用意されています。

 

 記述式については、受検生バイブルの「緑本」(精選過去問題集)や、過去問中心の対策をされている方が多数派と感じています。

 ただ、試験当日、予想もしないテーマや切り口で過去問になかった設問を目にすると、難しい対応が迫られます。

 実際、わたしが受検した2020年の検定では、【消費者契約法】が出題されました。

 この消費者契約法は2015年に出題されていたので「焼き直し」かなと安心していたのですが、よくよく問題文を読むと、契約の取消しの事由となる事業者の行為だけではなく、「無効となる契約条項」についての記述も求められていました。

 この「無効となる契約条項」は、2015年出題後の【法改正】により明記された条項ですので、過去問・緑本だけではよほどの地頭のよい方以外は書けなかったと思います。(わたしは、【法改正】対策していたので、完ぺきとはいかないまでも最低限のことは書けて、救われました。)

 

 そこで。。。

 必要なことは、「1)これまでの出題内容の分析」、「2)それを踏まえた対策」、「3)出題予想を立てての自己演習」ですね。

 昨年ブログにまとめた内容を参考に、以下にてまとめましたので、ご参考にしていただけると幸いです。

 

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1)これまでの出題内容の分析(わかる範囲で)

   ☆ピンクの太字は複数回の出題あり

 

 (1)2020年・・・消費者契約法(消費者の範囲および契約の取消し・無効の事由となる事業者の行為)

 (2)2019年・・・税理士法(税理士独占3業務の定義説明)とFP業務

 (3)2018年・・・金融商品販売法(消費者契約法との対比をヒントにした論述問題)

 (4)2018年(北海道会場延期分のみ)・・・金融商品販売法における投資助言・代理業とFP業務

 (5)2017年・・・保険業法における禁止事項と改正保険業法(2016年5月施行)

 (6)2016年・・・金融商品販売法における投資助言・代理業とFP業務

 (7)2015年・・・消費者契約法(消費者の範囲および契約の取消しの事由となる事業者の行為)

 (8)2014年・・・税理士法(税理士の専門業務)とFP業務

 (9)2013年・・・著作権法とFP業務

 (10)2012年・・・金融ADR制度の仕組みについて

 (11)2011年・・・個人情報保護法とFP業務

 -------以下、項目のみ---------------

 (12)2010年・・・個人情報保護法

 (13)2009,2008年・・・金融商品取引法(「適合性の原則」の概要)

 

2)それを踏まえた対策

 (1)個別テーマに絞った用語説明ではない。

    (例えば、NISAについての説明や、贈与税の配偶者控除についての説明などは求められない

     と考えています。)

 (2)FP業務と何らかの関連性のある関連法規とFP業務で求められることを書かせている。

 (3)これらの関連法規は、下記箇所に解説やヒントになりそうな内容が網羅されていると思われる。

  ①日本FP協会規程集

  ②日本FP協会ホームページの「Myページ」

   ○継続教育テスト(FP実務と倫理テスト)

   ○FP業務に関する注意事項

  ③CFP資格標準テキスト

    (わたしが持っているのは金融資産運用設計、ライフプランニング・リタイアメントプランニング、

     リスクと保険の3冊ですが、FP関連法規の記載があって肉付けができました。)

  ④CFPエントリー研修のスライド

    (現在は閲覧権限はなく照会できませんが、わたし自身は「目に見えるかたちで残したい」と

     思い、閲覧期限内に「すべてのスライド」の画面コピーをしてEXCELに貼り付け、プリント

     アウトして大切に使わせていただいております。)

 (4)2018年より、「焼き直し」(同一法規からの複数回出題)の傾向が見え始めた

         (2018年北海道会場延期分は9月試験を翌1月に後ろ倒しのため、やむなく焼き直しと

     なったのではと推測されますが、2019年の税理士法、2020年の消費者契約法は

     まさにそうです。)

       わたしの予想では、今回も「焼き直し」ながら、2020年の消費者契約法と同様に、

   問い方や角度を変えた設問になると推測しています。

 

3)出題予想を立てての自己演習

 (1)個人的な出題予想 

   ☆◎・・・本命クラス、○・・・有力クラス、△・・・要注意クラス、▲・・・大穴クラス

     (いずれも個人的見立てですので、ご容赦願います)

 

   ◎①著作権法の定義とFPとしての留意点

   ◎②規制強化・補足された個人情報保護法の内容とFPとしての留意点

   △③特定商取引に関する法律の定義と、法律に定められている規制内容

     ④金融商品仲介業の定義とFPとしての留意点

   △⑤クーリング・オフ制度の仕組みと注意点

   ○⑥金融商品取引法と「適合性の原則」

   ▲⑦弁護士法とFPとしての留意点 

     ⑧金融商品取引法(そもそもの定義)とFPとしての留意点

     ⑨フィンテックの定義・活用事例と、FP業務への影響

   ▲⑩マイナンバー制度

   

 (2)【選定理由】

   ◎本命クラス

   ①著作権法・・・FPジャーナルでも特集、焼き直し出題の可能性(?)

   ②個人情報保護法・・・頻発する個人情報漏洩事案、CFPエントリー研修でのケース

                 スタディでも紹介、2010年近辺での定番問題、焼き直し出題

                 の可能性(?)

 

  ○有力クラス

   ①金融商品取引法と適合性の原則・・・しばらく出題なし、「原点に返り」そろそろ(?)

 

  △要注意クラス

   ①特定商取引に関する法律・・・消費者と事業者とのトラブル増加、日本FP協会規程集

                       にも掲載、過去出題ない(そろそろ?)

   ②クーリング・オフ制度・・・消費者と事業者とのトラブル増加、CFP資格標準テキスト(リ

                    スクと保険)にも掲載

   

  ▲大穴クラス

   ①弁護士法・・・出題するにはやや個別・各論レベルではあるが、FP関連法規で唯一の

            未出題、独占業務との境界線に注意が必要

   ②マイナンバー制度・・・新型コロナ対策での定額給付金申請やマイナポイントで着目、

                 法の趣旨と、「特定個人情報」としての位置づけも重要

 

 

 (3)必要な対策

  ①これまでの過去問の研究と分析を行う。

  ②上記2-(3)に記載の参考ドキュメントを活用する。

  ③300字以内にまとめる訓練に励むこと。

   (原稿用紙つきのノート使用が望ましい。)

  ④単なる関連法規の説明だけではなく、FP業務との関連も意識した記述を意識すること。

  ⑤できれば、自分で出題予想を立てての予想問題を作成し、自己演習に励む。

  ⑥最後に「自分の意思」を込めて締めるとベター。

 

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【終わりに】

 1年前のことを思い出しながら、皆さんに少しでも参考になればとの思いで、一度ブログにアップした内容をリメイクしてまとめました。

 わたしの2020年1級FP技能検定での得点は、自分でもまったく予想していなかった96点でした。

 ○×問題での1失点と、記述式問題での3失点でした。

 おそらく、コロナ禍の中での検定ということで、記述式以外の問題は例年になく平易な内容(1.5級レベル)でした。

 (今回はちょっとぐらい難易度を上げてきそうに思えています。)

 記述式問題では、「消費者契約法における消費者の定義」を【雑】に書いたあまり、大きな失点を覚悟しましたが、取消可能となる条件に2015年出題後の【法改正】の内容を盛り込んだことと、「無効となる契約条項」も完ぺきではなくても何とかまとめることができたので、3失点に留まったものと振り返っています。

 「どんな問題が出るのだろう?」という不安もあろうと思いますが、悩んだら【まずは行動】です。

 自分の手と頭を働かせ、本番に即した事前準備を進めてみましょう。

 

 <完>