【3月24日(土)】
⑨ラストサムライ
私たちの班についてくれたガイドさんは、50歳手前のおじさんでした。
個性派揃いだった今回のガイドさん3人の中でも、おそらく一番濃いキャラの人です。
まず、格好からして個性的。
典型的なトレッキングスタイルではなく、ニッカボッカズボンにゴム長靴という出で立ちです。
帽子はかぶらず、ねじりはちまき。
トドメに、背負ったリュックからはみ出しているのは、どこからどう見ても日本刀の柄!
すれ違う人が驚くたびに、「斬るぞ」などと脅かしていたのですが――
もちろんガイドさんがそんな銃刀法違反をするわけがなく、実は傘だったのでした。
もっとも、そんな傘をチョイスしている時点で常人ではないセンスの持ち主という気はしますが……。
あまりにインパクトが強かったので、「これはもうブログのネタにするしか!」ということで、縄文杉をバックに写真に入ってもらいました。
このポーズ、私の指定じゃありませんよ。
おじさん自らやってくれたので、私も真似しただけです。
こんなおじさんですが、昼食の時にはリュックから簡易コンロを取り出してお湯を沸かし、班のメンバー全員にインスタントのお味噌汁をふるまってくれました。
疲れていた体に、温かな味噌汁が染み渡っていくように感じられたのは言うまでもありません。
しかし昼食後、巨大な荷物をそこに置いていくことにしたおじさんは、傘だけを腰に差して行ったのでした。
その格好、本気でアヤシイですよおじさん……。
⑩未婚者よ、屋久島を目指せ
少し前に「山ガール」というのが流行っていましたが、屋久島でもそんな人たちを見かけます。
かわいくていいですね。
もっとも私や母は、「アウトドアは汚れてもいい格好で行くべし」派ですけれども。
ガイドさんによれば、今の時期に屋久島を訪れるのは、だいたい卒業旅行で来たという20代前半の若者たち。
秋には中高年の比率がぐっと高くなります。
そんな中、ちょっと変わっているのが30代。
ガイドさん曰く、「30代は出会いを求めてやって来る」ということです。
いや、単にトレッキングが好きで来ている30代もここにいるのですが――とは思ったものの。
なるほど。
出会いというよりは見極めの場として、トレッキングは便利かもしれない。
疲れた相手をいかに気遣えるか、そして自分のつらさを押し隠してどれだけ気丈にふるまえるか、化粧が崩れようが髪がばさばさになろうが「もぉどうだってよいよそんなこと。」と受け入れてくれる人なのか、男にしろ女にしろなかなか人間を試される場となるのではないだろうか。
――って、怖いわそんな虎視眈々と相手の言動を品定めしまくっているようなトレッキングは!
考えただけで挫折してしまった30代、ここに一人。
しかし、何も直接的な出会いだけが出会いではありません。
そう。
こういうツアーに参加する人たちの中には、中高年の熟年夫婦もいます。
長年連れ添っていれば子どもも産まれ、子どもは成長すれば大人になるわけで――
「ねえ、ちょっとあなた。
ウチの息子30なんだけど、まだ独身なのよ。
一度会ってみない?」
――ってなことがないわけでもないのです。
まあ……それ今回の旅行中にあった実話ですけど。(注:丁重にお断りしました)
というわけで、絶賛婚活中の皆様。
何がどう出会いに結びつくかわからない山の中へ、ぜひとも踏み込んで行ってください。
ただし、何も起こらなかったからといって、当方では一切の責任を負いかねますので悪しからず。(続く)
