インザミソスープ | 縁茶亭茶話

縁茶亭茶話

地味に地道に生活している一般人が綴る、ごくごくありふれた日常

 職員も若い人が多いうちの会社(縁茶的訳語)ですが、20代の女性職員はほとんど既婚者及びその予備軍なので、日々の料理のことがわりとよく話題になります。

 特に、うちの部署には『オ○ンジページ』があるので、最新号が届く度に「うおぉぉ~っ、これ美味しそぉぉぉっっ!」「これっ、これ食べたくない!?」「……でも作らないよね実際。」的な話で盛り上がっています。



 そんな職場の本日の話題は、「豚汁」でした。



「豚汁っていったら、何を入れます?」


 相方さんの問いに、「そうですねぇ…」と過去を回想する私。


「やっぱ、人参と大根と白菜と…」

「白菜!? 白菜なんて入れます!?」

「…入れませんね。すみません、何となく口が滑りました」


 さらに豆腐やこんにゃく、といった定番の具が出そろったところで、私はぽつりと呟きます。


「そういえばうち、豚汁食べないんですよね」


 私としては何気ない言葉でしたが、相方さんは「ええええええっっっっっ!?!?!?!?」と思わぬほどの反応をしました。


「何でですかっ!?!?」

「いや、何でって言われても……何でなんだろう、そういえば」

「でも、豚汁って具だくさんだから、おかずの一品として便利じゃないですか!」

「『具だくさん』って。

 普通のお味噌汁だって、十分具だくさんでしょ?」


 ごくごく当たり前のことを言ったつもりでしたが、その瞬間、相方さんは「?」という表情で一時停止。

 そして。


「入れませんよ! お味噌汁の具は、だいたい2~3品です!」

「…………ええええええっっっっ!?!?!?」


 衝撃の事実に、今度は私の方がびっくり仰天しました。


「うそっ!? お味噌汁っていったら、人参と大根と菜っ葉と…」

「入れすぎですそれっ!」

「えっ、じゃあ2~3品って、豆腐と油揚げも入れてその数!?」

「どんだけ入れてるんですか! 普通は豆腐と油揚げと、あとはワカメとか、大根とか、とにかく豆腐も油揚げも1品に数えて2~3品です!

 それだけ入ってたら、立派におかずですよ! というか、豚肉の入ってない豚汁ですそれ!」

「いや、だから豚肉が入れば豚汁、入ってなければお味噌汁…」

「だから、お味噌汁はもっと具が少ないですってば!」


 さらに、そこへ別部署のお姉さんがやって来てこの論争に加わり、やはり「味噌汁の具は2~3品」に一票を投じました。


「し…知らなかった…。お味噌汁の具は、いくら入れてもOKだと…。

 言われてみれば、お店でも、味噌汁の具はほとんどなかった…。

 あれは、経費節減などではなく…」

「味噌汁としての正しいあり方だと思います」


 そんな風に、味噌汁論争は幕を下ろしたのでした。





 もっとも、その後『オ○ンジページ』のバックナンバーに具のたくさん入ったお味噌汁の作り方が掲載されていて、「あ、○○さん、こういうお味噌汁の作り方もありますよ。○○さんところは『具だくさんの味噌汁』なんですね」というフォローもいただきましたが。






 さて、また一つ世の中を知って帰宅した私は、ついつい夕飯で出てきた味噌汁(母作成)の具をチェックしてしまいました。


 今日の味噌汁の具…豆腐、油揚げ、ワカメ、ジャガイモ、玉ねぎ、ブロッコリー、舞茸。










 7品目!?







 こうして、家庭の味は受け継がれていきます。


※ヌシ家の味噌汁は、具だくさんなだけでなく「野菜なら何を入れてもOK」という暗黙の了解があるため、時に混沌と化すことがあります。

 でも美味しいですよ。

 基本は味噌汁ですから。