スカーレット・ピンパーネル | 縁茶亭茶話

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 み……観てしまった。

 ついに、つーいーにっ、観てしまった。


 というわけで6月23日、私は東京宝塚大劇場にて、宝塚月組による『スカーレット・ピンパーネル』を観てきました。

 遅くなりましたが、鑑賞レポートです。



 まずは、簡単にあらすじを。



 革命が起こり、ロベスピエールの恐怖政治によって罪もない貴族が次々に処刑されていたフランス。

 イギリスの貴族であるパーシー・ブレイクニーは、「スカーレット・ピンパーネル」を名乗り、貴族たちが海外に亡命する手助けをしていた。


 しかしその一方で、フランスの女優であるマルグリット・サン・ジュストと恋に落ちた彼は、イギリスに渡った彼女と結婚。

 幸せな生活が始まるかに見えたが、その結婚式の夜、パーシーは、自分が助けるはずだった貴族が処刑され、しかもその居場所を密告したのがマルグリットだったとの知らせを受ける。

 実はマルグリットは、元恋人でもあった革命政府の公安委員ショーヴランに脅されていたのだが、自分の行動が人一人の命を奪う結果となったため、そのことを夫に打ち明けることができなかった。

 こうして、二人のささいな誤解から、夫婦のすれ違いが始まっていく。


 だが、スカーレット・ピンパーネルとしての彼には、ルイ16世の遺児ルイ・シャルルを救い出すという重大な使命があった。

 仲間の協力を得て、着々とその計画は進んでいく。

 だが、その中の一人で、マルグリットの弟でもあるアルマンが、革命政府に捕らえられてしまう。


 密かにフランスに渡ったパーシーは、無事にルイ・シャルルを救出し、アルマンの妻マリーに託した。

 一方、パーシーとは別ルートでフランスに渡ったマルグリットは、マリーの家でルイ・シャルルと会い、自分の夫こそがスカーレット・ピンパーネルであったことを知る。

 ショーヴランに捕らえられたマルグリットは、革命政府を讃える歌を歌うよう要請された大劇場で、夫がシャルルに教えたという「ひとかけらの勇気」を熱唱。

 熱狂した観客が立ち上がって場内が混乱する中、捕らえられていたアルマンたちは無事に救出された。

 さらに、パーシーの作戦により、マルグリットも無事に救出。

 互いの愛を確かめ合った二人は、改めて共に歩んでいくことを誓い合うのだった。



 ――無理。

 この話の面白さを簡単に説明するなんて、私には無理。


 というわけで、全然簡単でもなければ面白さも伝えきれないあらすじとなってしまいましたが、お話の内容はわかっていただけたでしょうか。


 もうね、何がいいって、まず歌がいいんですよ。

 パーシーが登場して早々に歌う「ひとかけらの勇気」には、いきなり涙ぐみましたよ。

 ちなみに作曲は、3月20日に公演を観に行ったフランク・ワイルドボーンさん。(鑑賞レポートはこちら

『MITSUKO』も悪くなかったけど、個人的には断然『スカーレット・ピンパーネル』が良かったです。

 ……でも、いつか『ファントム』とか『ルドルフ』とかも観てみたいなぁ。


 もちろん、話もすごく引き込まれました。

 元々歴史物は好きだし、冒険活劇的な要素が入っているのも好きなので、この手の話には、何だかわくわくしてしまいます。

 その一方で、たぶんハッピーエンドに終わるんだろうなとわかってはいても、夫婦のすれ違いには「どうなっちゃうのぉぉぉ~っ!」とハラハラしましたし。

 それと、ところどころで笑いも入っているので、かなり楽しめます。

 何しろパーシーは、スカーレット・ピンパーネルであることを悟られないために、普段は軽い男を演じていますからね。

「普段は道化だけど、やるときはやる男」って、ものすごくツボです。


 ちなみにこの話には、いくつかアドリブポイントがあります。

 その中でも人気なのが、「パーシーのファッションアドバイスコーナー」(←便宜上、今勝手につけた)。

 いつも黒ずくめの格好をしているショーヴランをからかい、オススメのファッションをアドバイスするという場面なのですが、私が観に行った日はちょうど雨が降っていたせいか、こんな感じでした。


パーシー:「こーんな雨の日は、おしゃれなレインコートにレインブーツでコーディネイトするってのはどうでしょう。ちょっと蒸れますけど」

ショーヴラン:「けっこう!」

パーシー:「ですよね~。あなただったら雨ガッパに長靴って感じー♪」


 これだけでも大笑いなのですが、パーシーが去った後、その場に残ったショーヴランとマルグリットが「……君は、あの男のどこを好きになったんだい?」「……予測のつかない行動をするところかしら」というまとめで、さらに爆笑してしまいました。

 この二人の引きつり具合が、もう本当に面白かったんですよねぇ。


 そんなパーシーを演じるのは、霧矢大夢さん。

 月組の現トップスターです。

 霧矢さんと言えば、トップお披露目公演の『紫子―とりかへばや物語異聞』では男装の少女を演じ、そのかわいらしさにすっかり魂抜かれてしまったのですが(鑑賞レポートはこちらこちら )、今回は正統派バリバリの男役で、そのくせちょっとひょうきんなところが新しくて(2番手の時は、基本的に穏やかで真面目な青年を演じることが多かったので)、でもやっぱり霧矢さんらしい「芯は真面目で情熱を秘めた青年」でもあって――一言でまとめると、「めっっっちゃ格好良かった!!!」に尽きました。

 歌も深みがあって、本当に素敵だしなぁ。


 ものすごくどうでもいいことですが、実は霧矢さんは男役としては少し小さくて、なんと私と身長が同じくらいなんだそうです。

 ――もちろん、スタイルと顔の造作については雲泥の差がありますが。

 それはともかく、「宝塚に行くと『やせなきゃ!』という気になる」という話はよく聞きますし、私もそう思いますが、やはりそれ以上に「姿勢よくしなきゃ」と思いますね。

 だってやっぱりそれだけできれいですもん、すら~っと背筋の伸びた人って。

 若干(?)上半身と下半身の比率に問題がありますが、無駄に背が高い分、猫背にはならないように気をつけようと思いました。

 …………まあ、ライブの時は、後ろの人の迷惑にならないよう気をつけますけどね。


 ところで、敵役のショーヴランは役代わりで、私が観に行った日は龍真咲さんが演じていました。

 この人は以前『エリザベート』(のルキーニ役で、狂気走った暗殺者を熱演していたせいか、やっぱりちょっとイッちゃった感があり、それでいて心の底では、少し歪みながらもマルグリットを愛し続けるショーヴランを演じきっていました。

 ちなみに、今回の公演では観られなかったもう一人のショーヴラン役は、明日海りおさん。

 この人は今回アルマン役だったのですが、基本的に「かわいい子犬系」という男(というか男の子)役のイメージがあったので、私の中ではかなり適役でした。


 しかし一説によれば、「この二人は逆(ショーヴラン=明日海さん、アルマン=龍さん)でもかなりいい!」とのこと。

 ううう、観てみたい。

 公演終わっちゃったから無理だけど。(というか、チケットは全公演完売だったそうな)



 そんなこんなで、つい長々と語ってしまった『スカーレット・ピンパーネル』。

 ……CDとDVD、たぶん買うことになりそうです……。