ハイリスクHPV、悩ましい存在です
性的接触で感染しますが、
前回も書いたように、『処女と童貞という組み合わせ以外』では、
パートナーがたった1人だろうが、たった1回のセックスだろうが感染しうるわけです。
しかし、感染したとしても、殆どの場合は一時的な感染で、自然に消失するウイルス。
どのくらい消失するのか?というと
HPV感染から12カ月後に感染が消えていたのは70%
(HPVは自然に消える、とその周辺 文献3より)
ただ、ハイリスクHPVの中でも、16型は消失しにくい、とあります。
(HPVは自然に消える、とその周辺 文献1、3より)
子宮頸がんは、数年~十数年に渡ってのHPV持続感染によって、異形成という状態を経て、
上皮内がん浸潤がんと進んでいきます。
上皮内がんと浸潤がんでは治療が大きく変わるため(子宮を残せるか、残せないか)
その後の女性の人生にまで関わってくる事態になる前に検診で発見しましょう
となるのですが、日本での子宮頸がん検診率は、以前の20%台に比べると高くはなってきたものの、他の先進国と比べるとまだまだ低く、HPVワクチンは接種勧奨が中止されたままです
先ほどの、消えにくいHPV16型は、HPVワクチンで感染を防ぐことが可能です。
HPVの多くは自然に消失するし...
初期であれば子宮を残すことができるし...とおっしゃる方もいますが、
前がん病変で辛い思いをされている方については
この超少子化時代に妊孕性(妊娠しやすさ、妊娠する力)を奪われたり、低下したり、
流産率や早産率が高くなったりする可能性もあることに対してはと思ってしまいます
そもそもHPVに感染しなければ、持続感染もしないわけです。
その方法があって、すでに世界130か国以上で承認され、安全性と有効性が確認され、
今や男性への接種も推奨となってきています(オーストラリア・アメリカ・カナダ・韓国など11か国)。
ワクチンも4価から9価になり、より予防できるハイリスクHPVが増えているのにも関わらず、
日本の今の現状ですああああああ
以前から言われていたように、HPVワクチンの副反応といわれている症状は、
HPVワクチン非接種群でもみられます。28日、厚労省の有識者会議でもその報告がなされていました。
またHPVワクチンの副反応、副反応である可能性がある子たちの回復については、
全く報道されませんが、回復している子たちはいますし、
その報告をブログでUPされている親御さんもいます。
今回でHPVの回は一先ず終了しますが、
今後、ワクチンプログラムがなされている国では、
既に前がん病変が減っているデータは出てきていますから、
子宮頸がんは減っていきますし、ワクチン&検診によって子宮頚がんで亡くなる人はいなくなったなんてことも夢ではありません。
一方、HPVワクチンは接種勧奨中止のままで、検診率が低い日本では、
予測されているように、子宮頸がんが増えていくのかと思うと...
憂いていても仕方ありません
しばらく子宮頚がん検診を受けていなかったわ…
検診、恥ずかしくて行ったことないんだよね…という女性たちは、是非婦人科へ
お待ちしています