こんにちは、さとこです。
みなさん、旧正月を知っていますか?
旧正月というのは、日本に今現在のグレゴリオ暦が入ってくる前に
使われていた、中国式の太陰太陽暦の上での正月です。
というと、なんだか分かりずらいですね。
現在の一年、12月365日の時の流れは、
太陽の周りを地球が一周する早さを、一年にしています。
これをグレゴリオ暦、太陽暦といいます。
微妙な誤差が生じてくるので、4年に一度、一日をプラスして、
うるう年とします。
そして、日本にグレゴリオ暦が来る前は、
中国から来た太陰太陽暦で、月が地球の周りを一周する早さを、
一か月として、12月354日。
何年かに一度1月を足して、13月うるう月として、
その誤差を調整していました。
この月の周期を元にした暦、これに太陽暦を合わせて調整する、
日本独自の暦が生まれ、日本では、
この暦をもとに、農作業、季節の行事をおこなっていました。
旧暦と里山の暮らしはつながりが深く、
日本に新しい暦が入って150年が経った今も、
各地で、旧暦にそって、行事が行われています。
そして、奥矢作森林塾でも、
今年は、旧正月を祝うことにしました。
今年の旧正月は、2月10日の日曜日でした。
この日は、「道具の年取り」といって、
普段お世話になっている道具たちにも、年をとらせてあげよう、
という、風習があります。
ちょうど、森林塾では毎月の第2日曜日に開催している
「里山ぼらんてぃあ」の日だったので、
参加者さんと一緒に、道具のお手入れをしました。
ずっと納屋の裏で放置されていた農具たちも、
磨くとピカピカになって、秘めた生命力が感じられるようでした。
そして翌日の2月11日の、建国記念の日。
雪のちらつく中の、お餅つきです。
木の臼でつきたくて、串原じゅうを探して見つけた臼と杵は、
お借りしたご主人の話では、作ってから100年は経っているだろう
とのことでした。
木の丸太を削りだして作られたその臼は、
どーんと構えて、男らしく、かつ柔らかい曲線が女らしく、
100年という歳月を、一家を見守るように鎮座してきたという、
風格が漂っていました。
旧正月イベントは、リフォーム塾でおなじみの、5名の参加者がありました。
餅つきの先生は、森林塾理事長の大島さんと、奥さまの初美さんです。
最後に夫婦で餅をついてから、一体何年が経っているのでしょうか。
ブランクを感じさせない、息の合った餅つきを見せていただきました。
参加されたみなさんにもついて頂きました。
つきたてのお餅の柔らかくて、美味しかったこと!
結の炭家は、串原は松本という地区にあります。
松本地区には、人生経験豊富な5人の女性の、
ゲートボールチームがあります。
本当は、2人の男性陣も居るのですが、
最近はそのお二人は少し現役からは遠のいているのだそうで・・・
そんな5人のれでぃすが、
雪の降る中、
結の炭家に上る草の茂った斜面を、
まるで笠地蔵のように並んで上って来たのを見たとき、
わたしは感動で言葉を失ってしまいました。
※結の炭家に上る道・・・
結の炭家は、田畑を見下ろすように、山の斜面に建っています。
そこに上ってゆく道。
車の幅に舗装された道路、だけだと思っていたら、
実は違います。
雪が降ると、まるでスキーの上級者向けのようになる斜面、
舗装された道路ができるまでは、この斜面のみが、
家に上る道でした。
私たちは普段、なんの迷いもなく、
舗装された道路を上ってきます。
けれども、なん十年もアラヤ(結の炭家の屋号)に来る用の無かった
5人のれでぃすは、迷わず、昔の道を登ってきました。
その光景を見た事は、旧正月の私の、
一番の印象深い出来事でした。
お餅を食べた後は、餅花つくり。
薄く伸した餅を、細かく切って、
葉っぱを落とした竹の枝に刺してゆきます。
餅の重みでその枝を垂れた竹は、
まるで収穫前の稲穂です。
まさに豊作祈願。
子ども達も、一生懸命餅を刺します。
その後は、みんなでわいわいと、旧正月、昔のお話をしました。
理事長の大島さんが、並べた道具の前に座り、
お神酒の蓋を開け、二礼二拍一礼の挨拶をして、
皆もそれに続きました。
お礼をしたときに、道具さんたちには、
ずっと放ったらかしにした事をお詫びしました。
そして、今までありがとう、お疲れ様でした、と声をかけました。
なんだか優しい気持ちになりました。
みんなでする、お祈りは、懐かしいような、不思議な感じでした。
旧正月。
食べ物の豊かな時代に生まれ育ったわたしには、
そこに込められた切実な想いは、わからないかもしれません。
けれど、
「今はもう、旧正月なんてやらないよ」と言った、おばあちゃんや、
旧正月をまったく知らない、東京から来られた女性、
いつか子どもの時に、見た以来だという男性、
生まれてからまだ10年経っていない子ども達。
みんなが、笑顔で、とても楽しそうでした。
これが、忘れられてゆく旧正月なら、
それは、寂しいことだと、
身をもって感じた、旧正月イベントでした。
参加していただいた、みなさま、
道具たち、家、家を建ててくれた人たち、
家を支えてくれる山、
美味しいお餅になる米を育ててくれた人、
餅つきについていろんなアドバイスをくれた方がた、
お話を聞かせてくれた、おじいちゃん、おばあちゃん・・・
みんなみんな、どうもありがとうございました。
sato 