10月13日土曜日。
結の炭家にて、里山体験イベント
「地元のお母さんとつくる栗きんとんづくり」を開催しました。
竈(かまど)で栗を茹で、炬燵でその中身をほじり出し、
コンロで火にかけ茶巾で絞り、囲炉裏で食べました。
参加者さんは5名です。
うち一人は、みんなで竈を囲んで栗を茹でているときにやって来た、
結の炭家のある地域に住む、地元のお母さん。
戸口に立ち、少し申し訳なさそうに、
「モヤコニシテチョウダイ、イイ?」
と聞きます。
わたしは、聴き取れず、
「へっ??」
と聴き直してしまいました。
それでもまた同じ言葉。
意味がわからないまま、でもそのお母さんの遠慮がちな佇まいに、
「どーぞ、どーぞ~。」
と返したのでした。
栗きんとんを絞りながら、参加者の方が聞いてくれました。
「さっきのモヤコ?ってどういう意味ですか?」
するとお母さん、
「モヤコっていうのは、仲間に入れて ちょうだいって意味。」
それにはみんな驚きました。
「そんな言葉聞いたことなーい!」
講師役のお母さんも。
「えー、あんたほんとに串原のひと?
わたしらよぅ言ってたよ、もやこにしてーって。」
もう一人の講師役のお母さんは知っていたようです。
聞くと「もやこ」を知っていたお二方は、となり町から嫁いで来ていました。
この小さい地域でも、言葉は時代や人の流れで変化しているようです。
「もやこって、なんだか可愛いですね。」
この地域の方言は、ほのぼのと可愛いものがあります。
そういう良いなと思ったいろんな言葉を取り入れながら、自分の語彙にしていきたいと思いました。
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さて、今回のイベントの前に "恵那における栗と栗きんとん" について、少し勉強しました。
ここでいう栗きんとんは、おせち料理の、粘り気のある餡に栗が入っているものでは無く、
恵那・中津川地域特産の、栗と砂糖だけで茶巾に絞った和菓子のものを指しています。
↑お正月の栗きんとん。
↑和菓子の栗きんとん。
明治のはじめに生まれたといわれる栗きんとん。
中津川、恵那に通る中山道を中心にした宿場町。
そこに集う文化人に振舞われるうち、品質が高くなっていったそうです。
そして今では恵那、中津川で、50軒を超えるお菓子屋さんがつくっています。
それを支えているのが栗農家さんです。
恵那、中津川地域で栗をつくっている農家さんは現在156軒。
それぞれにつくった栗は、JAを通すか、お菓子屋さんとの直接の契約で、
栗きんとんの原料として出荷されていきます。
「東美濃栗振興協議会」
というものがあり 栗の剪定を含む栽培法を指導したりなど、栗産地を守り、
技術を受け継いでゆく取り組みをしています。
9月の末。
栗について勉強するため、
恵那市長島町で栗農家を営み、先に書いた栗協議会の副会長であり、
恵那市栗栽培振興会長、指導剪定士でもある、森川哲幸さんの農園を訪ねました。
熟すと自然にポロポロ落ちてくる栗を、専用ばさみで拾い上げる収穫作業。
体への負担は特になく、楽しい作業です。
森川さんの農園は65アール。
歩いて回るのに、ちょうどよい広さだそうです。
いろいろな栗を育てています。
栗は接ぎ木で育ちます。
元の木ではなく、ついだ方の木の性質が残ります。
栗の受粉は異種間でしか行われず、列ごとに品種を変えて植えられた木の、
垂れ下がった雄花の花粉を風が運びます。
話を聞けば聞くほど、栗の性質は面白く、生物学的にとても興味深く感じました。
数多くあると思う東美農の栗農家ですが、
和菓子として消費される栗の量は1000t、対して生産量は150tと、まだまだ自給には足りていません。
ということで、恵那では、新規就農の栗農家さんを募集しています。
技術指導、契約栽培で、安心です。
農家を目指している方は、検討してみるとよいかもしれません。
森川さんにお土産にいただいた栗は、香り豊かで本当に美味しかったです。
森川さん、ご協力ありがとうございました。
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栗きんとんづくりの決め手は、茶巾絞りです。
ただ絞るだけでも、個性がでます。
それぞれに完成した栗きんとんを、お土産に詰めました。
できた栗きんとんを、囲炉裏でお茶と一緒に味見します。
講師のお母さんに、手作りのお漬物を持ってきていただきました。
栗きんとんの甘みがひきたちます。
「このお茶、どこのお茶?」
お母さんが聞きます。
それは、串原に住むあるおばあちゃんが手で揉んでつくった手づくりのお茶でした。
「懐かしい味がする…。」
囲炉裏を囲んで、嬉しそうなお母さんの様子に、今回のイベントをやってよかったと思いました。
お母さんにとっての懐かしい暮らしが、私たちには新鮮で、
それを通して、みんなが同じように暖かい気持ちになれることが、
すごい事だと思いました。
イベント終了後、参加者さんから、さっそく栗きんとんをつくってみたという報告がありました。
栗と砂糖だけでできる栗きんとんですが、火加減が難しく、
3回目のリベンジでようやく美味しく出来ましたとの事でした。
よかった…。
栗きんとんを通して、自分の手でつくる喜びを、みなさん感じてくれたようです。
それは、主催者として、とても嬉しい事でした。
みなさんも、栗を拾ったら、ぜひ栗きんとんを作ってみて下さいね◎
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