二層の構造で成っています。
断熱材の役割を果たす、外壁としての
“ガワ”。
そして、仔を育てるための、寝床としての
“巣”。
今年の夏は暑かったためか、この巣はガワが厚いようです。
コンテストの時は、ガワを取り除いた巣と、そこに入った仔の重さを競います。
この時には、多くの親は飛んで行ってしまっているか、巣の外に落ちているので、拾い集めることになります。
巣は段を下に増やして行くことで、大きくなってゆきます。
段と段は、柱のようなもので繋がっています。
よくミツバチの、蜂蜜の詰まった巣をそのまま食べている場面を思い出して、
「ヘボの巣は食べられないの?」
と聞いたら、不味いだろうとの答でした。
でも何かしら栄養がありそうなので、こんど挑戦してみたいと思います。
巣を計量した後、ついに仔を取り出しにかかります。
穴に膜が張っているのは、蛹から成虫になる準備段階のものです。
まずは、ピンセットを使い、膜をひとつづつ剥がしてゆきます。
途中、
「お手伝い?えらいでしょぅ…(大変でしょう)。」
と、通りかかった田口家のおばあちゃん。
気づけば、目にも留まらぬ手際で仔を抜いていました。
「えらいけど、面白いのよねぇ…!」
わかります、その気持ち。
やらずには居れないという。
殻を剥き終わった巣。
これを芸術と呼ばずして、なんと呼べばいいのだろう。
外側から内側に向かって、成長していっている様子がわかります。
あと数日たてば、真ん中のものから順番に巣立って行ってしまうことでしょう。
仔を抜いていると、親蜂が飛んできます。
仔を助けに来るかというと、そうではなく、仔を食べに来るのです。
どこかで読んだ事があります。
“蜂社会は、栄養交換で成り立っている”。
仔は栄養の貯蔵庫としての役割があり、親の存命に危機がせまると、それは育てる対象ではなく、食糧になります。
そんなことを思い出しながら、仔を抜いていきました。
そして…
「(ぜんぶ)抜いたどーーー!!!」
明男さんにチェックしてもらいます。
「…うん!綺麗にとったな!!」
この日は、久しぶりに、自分を心から褒めました。(でもまだまだ、仔が詰まった巣は残っていますょ…。)
日が少し陰って、肌寒くなったころ、ようやく全部を抜き終わりました。
ヘボの仔抜きは、予想以上に難しく面白く、その作業を通して、いろいろな事を考え、感じることができました。
ひとつひとつの巣穴には、紛れもなくひとつひとつの命が詰まっているということ。
それをピンセットで、簡単に潰せてしまうということ。
一年をかけてそれを育て、食べることで喜びを感じている人々の暮らしがあるということ。
そして、改めて感じたこと。
里山暮らしは、いのちの暮らし。
いのちは芸術。暮らしは芸術との出会い。
sato![]()




















sato

