心学「人の事」
人の事を云う人間は、その事を本人に確かめたわけではなく、
推測で批判することが多い。
また、徳性が低い人間はその憶測をさも事実かのように話す。
これは恕 じょ(己が欲せざるところを人に施すなかれ)の心が、
欠けるとそのような言動に出易い。
もし、反対に自分がそのようにされたら「どのような気持ちになるか」
考えられない人、相手の立場になれない人がする過ちである。
徳と云うものはまさに恕が基本であり、
常に相手を思いやる仁の心でもある。
自分の言動そのものが、自分の徳性になる。
人の事は言い易い。
しかし、人の事を言うほど、自分自身の徳性を観られることを、
肝に命じ、人の批判や悪口を控えること。
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仁徳学問所 言葉にはその人間の仁徳が観える