心学「落ち着き」

 

落ち着きのない人間は何事にも集中できず、考え方もまとまらない。話を聞いても内容を把握できない。それは人の話を聞きながら、心の中では自分自身のことばかり考えているからである。

 

心の器に入った水が落ち着いていれば、水鏡のように自分自身を観ることはできるが、器がいつも揺れていれば、水面は揺れ、鏡のような状態にはならない。

 

落ち着きのない人間ほど、器を持つ心の手が揺れ、表面がいつも波立っている。自分を正しく観ることができない為に、間違った判断や早とちりの行動に出易い。

 

落ち着きのない人間ほど、呼吸も浅く、深呼吸や静座することもない。何事も浅いので表面だけで判断してしまう。奥深く観る習性がなく、上部だけの判断が多い。

 

まず、自分自身は他人に比べ、落ち着きがあるのかどうか判断してみる。かつて、落ち着きがなかった為に失敗や失態を起こしたことがないのかを観る。

 

それは自分自身の心を観て、心の力量を計り知ることである。自分を知らずして、何かを得ようしても達成する確率は少ない。

 

特に自分は落ち着きがないと思う人間は、普段から言動の前に深呼吸する習性を身につけることです。深呼吸は心身を安定させてくれる心の療法です。