仁学「大樹」

 

松や杉などの大樹、菊や桔梗のような草花、同じ植物でも容姿や育ち方が異なる。それぞれに植物としての役目があり、天地自然の万法に従い全うしている。

 

菊や桔梗は秋ともなれば、人目を引き、美しさを愛でる人間も多い。

 

松や杉は人目を引くような可憐な花ではなく、極小さいな目立たない小花である。しかし、松や杉は屋敷の建材として重宝され、長い年月多くの人々から賞賛される。

 

それぞれの役目は異なれども、生きて役に立つことが多い。人間も可憐な人生もあれば、建材のような人生もある。菊や桔梗は建材にはならない。

 

松や杉は花瓶に入るような可憐さはない。植物も人間もそれぞれの価値があって、生き方もある。

 

自分の都合で他人を判断することなく、それぞれの役目を観る心の力を付け、全ての人を認め、敬い、慈しむ心の仁徳を高めることである。その心があれば、他人から高く評価される。