仁学「火事」

 

人が羨むような豪邸でも、煙草の不始末で灰燼に帰することがある。わずかな火の不始末が巨万の富を掛けた豪邸が一夜にして燃えて去る。

 

人生の成功も同じ、若い頃から叩き上げて来た経営者が、取るに足りない不始末の所為で全てを失くしてしまう。

 

古来、このような不始末があったのに、現代でもまだ続く。

 

学歴や学識があっても「心の学問」「仁徳」に欠けた人間である。自分は大丈夫と思っても、悪事は漏れ、それが世間に知れ渡る。それが天地自然の道理である。

 

豪邸や豪華な生活をしていた人間が拘置所や留置所に閉じ込められ、名称も「容疑者」などと呼ばれ、栄光は一瞬の内に消える。

 

悪事は自分が黙って隠しても、それを知る仲間が世間に漏らすようになっている。本人が悔い改めるように仕向けた天恵である。そのような人物を観たら、心の学びとして、自分自身も自省する心を持つことである。