心学「過去の人」
時折、これまでに過ぎた多くの人を思い出すのも心の修養になる。人生には喜怒哀楽の思い出が数多くある。
楽しかった人、嫌いになった人、憎さが残る人、まだ恨んでいる人、また会いたい人、それぞれの人間によって自分自身と云う人格が創られて来た。
多くの感情はあるだろうが、何かしらの栄養になり、何かを学んだと思う。中には亡くなって会えない人間もいる。
心の中でその方々を思い出し、語り掛けてみよう。そして、自分自身の本音を心で呟いてみる。
心の人生劇場になるだろうが、意外と楽しいものである。この時は一人の状態で心を落ち着け、静座して、心を開き、過去の人たちと会話をする。
空想の世界かもしれないが、この意識は夢の中ではよくあること。
そして、心の奥底にある遺恨などは払い去ることも修養の一つ。いつまでも心に残る「恨み辛み」は自分自身の心を傷つけるだけ。
その執着を断てば、心の中にある迷いや悩みは消え去り、自分自身が思い出さない限りは浮いて来ない。
自分の人生劇場に出て来る善悪の役者に心の悪い人はいない。自分自身が修養する為にあえてその役を買って出てくれているだけの尊い存在。
また、自分自身も誰かの人生劇場で善役、悪役を演じているかもしれない。人生の中で出会う人々は全て互いの役者的存在である。