心学「釘」

 

和風建築でも洋風建築でもそれぞれ建材を止めるには釘が要る。釘は長過ぎても良くない、短過ぎても用を足さない。

 

それぞれ建材の長さや質に合わせて選ぶことが先決。

 

人間関係も然り、自分に合った人間が良く、長くとも、短くとも無理が生じる。人を選ぶ為にもまずは自分自身を観なければならない。

 

人間関係にも分相応があり、裕福な人間を友に持てば交際費も嵩む、悪徳の人間を友に持てば自分も悪に染まりやすい。

 

自分自身、心の強弱を知り、弱い気につけ込んで来る人間を避け、自分が強い気になると人を見下す場合もある。

 

故事「出過ぎた釘は打たれる」の如く、自分と周囲の状況を観て、分に合わせることが大事。

 

心の釘をしっかり打ち込んで人生の建材に狂いのないようにする。心に釘や楔を打ち込むと「必要」の必になる。心に一本打ち込むことで、心が不動の相になる。

 

如何なる立派な建物でも、釘がなければ建つことはない。

 

人間も同じで人生を悔いのないようにするならば、心の釘をしっかり準備する必要がある。長短を考え、分相応の長さで人生と云う劇場を建てるように心掛けよう。