心学「自分の力」
自分の力で得た地位や収入なら良いが、自分の力でないことによって得たものはやがて朽ちる。自分の力で得たものは心の大地に根強く生えているが、他人の力によって得たものは心の大地にただ置かれているだけである。
大地から生えている草樹と花瓶に活けてある草樹と同じ。見栄えは花瓶の方が良く、多くの人に愛でられるが、時が経てば枯れる運命にある。
これと同じで自分の力でないものはこの生け花と同じになるので、他人の力もほどほどにしなければならない。しかし、これを青少年期に経験すると、常に他人の力を依存してしまう可能性がある。
青少年期こそ「自分の力」をつけさせる時期なのに、親の過保護が自力を失わせる。自生できる草樹を親が摘み取り、花瓶に活けると同じ。
それでは生き続けることはできない。親の教育は「自力」をつけさせることである。「親の為にある子供」ではなく「子を活かす親」であって欲しい。