心学「家訓」

 

家訓の効用。最近、家訓と云う言葉を耳にすることがなくなった。企業や組織では社訓などあるが、一般家庭では皆無に近い。

 

家訓は江戸中期に近江商人が考え出したものだが、旧家や老舗に行けば、まだそれが力強く残って、社員たちの道導になっている。

 

主に儒学から得た言葉が多く、商道徳や礼儀を中心に「仁・義・礼・智・信」五徳を掲げている。それが日本における商人道の基本となった。

 

武家の間でも各家々「家訓」を創り、先祖崇拝と同じように大事にして来た。世界に類を見ない文化であり、日本精神の根本でもある。

 

これからは一般家庭にも「家訓」を設け、家庭教育の基本と為したら良い躾ができると思う。一々言うより見える場所に掲げ、家族が目につくようにする。

 

家族が家訓に反した言動を行った場合は家訓を三度唱える。これも良い習慣になる。親子で学ぶ当家の家訓。親子で考える当家の家訓も良い。古くて新しい躾、まさに「温故知新」の智慧になる。

 

人間の教育には具体的に目指す目標が必要、それが家訓や社訓になる。家訓の本などは書店で販売しているので、大いに参考されるのが良い。