心学「余裕」 

 

余裕の有無は心の器一つ。五の容量に七の質量は入らず溢れる。十の器ならば七は入り、三が余裕になる。余裕がないと愚痴を言う人間は、器の大きさを知らないことが多い。五の器は五までしか入らない。

 

しかも、五を入れれば余裕もなく、心が揺れ動けば端から溢れる。

 

愚痴を言う人ほど心の器は小さく、心に余裕がない。もし、自分が愚痴を言い易い性格ならば、心の器を大きくする修養に励むことである。

 

その修養が学問であり心学である。

 

心の器は自分の心一つで大きくもなるし、小さくもなる。五の器でも考える質量を減らすことで余裕が生まれる。その余裕を創る方法は、まず他人に対する余計なことを考えない、悪の感情を持たない。

 

その余計な感情が余裕を埋めてしまうからである。

 

余裕を創るなら、余計な言動を慎み、人に対する悪感情をすぐに消し去ること。それらは心に蔓延り易く余裕を埋め尽くすので、普段からすぐに消し去ること。

 

余裕のない人ほど、考えなくとも良いことにしがみ付き、自分を煩わしている。

 

心の中で考える質量は修養一つで増えもすれば減りもする。

 

心の中に余計なことを入れず、必要なことのみ考える心の修養を行うことである。