心学「如水」

 

地球上で最も自然体の存在は水であろう。水は天地自然の万法に従い、役目を果たしている。高い所から低い所に流れ、暑くなれば蒸発し、空中に溜まれば雲となり、やがて雨や雪を降らせる。温度が下がれば氷にもなる。

 

水が一定な状態は常温の時、寒暖で変化し、地形に因っては川や沼、湖や海に変わる。如何なる形になろうとも水であることには変わりない。

 

古来、多くの聖賢が「人間も如水であれ」と語り続けて来た。それほど水には生命力があり、想像力、変化力、復元力もある。

 

自分自身の心を水に例えてみれば良い。どの変化ならば自分もできるのか、どの状態の水なのかを自分に問うてみる。

 

沸騰した熱い湯、氷のような冷たい状態、天に昇った雨雲、山林の清流、青い海原など、自分はどのような水の存在になっているのか。

 

水はその時々によって変化もするし、固定もする。一つの型ではなく変幻自在の存在でもある。しかし、如何なる型でも水は水。