心学「両足」

 

人間は二足歩行である。二本の足があるので立ち続けられるが、一本足の状態ではしばらく立てるが、継続して立ち続けるのは困難である。両足を使って平衡を保つ。

 

これと同じように心も陰陽、成功失敗、幸不幸などがあり、それぞれ自分自身が育つ為に必要な人生である。陰陽の片方が欠ければ、陰陽は成り立たず、心の平衡が保てない。失敗があるからこそ成功への智慧と努力が生まれる。不幸な状況から抜け出すために、忍耐と努力が生まれる。

 

何事も「二」で成り立つ。偏ることは続かないし、その偏った心は天地自然の道理に因って元に戻される。天地自然の道理は「二」が基本で、常に中庸と平衡を目指す。

 

中庸と平衡こそが人生の基本であり、「仁・義・礼・智・信」五徳の構造でもある。偏ることなく、全ては同じように観て、差別することなく、偏見を持つことなく、仁慈や仁愛を以って良い人間関係を保つことが大事である。