心学「上には上がある」

 

自分が出来ると思っても上には上がある。どこまでも上があると思えば、下に下ることになるのが円相。下には下があると思い、どこまでも下があると思えば、上に上ることになる。何事も半々の相が天地自然の万法。

 

上も下も考えない、今の位置で良い。今の相が自分自身の力量。自分が自分自身の質量であり、今の心が持つ力である。如何なる高い山も登りと降りの距離は同じ。近道はない。

 

人生、自分の心によって創られているが、上下の坂道を歩いている。上下の位置に一喜一憂をすることなく、平常心を以って対処すれば慌てることもない。

 

慌てる、焦るは世の中ではなく、自分の心がそうしているだけ。

 

円相には中心がある。最も素直な心である。この中心こそが自分自身の「忠」である。中心から円周までの距離はいつも同じで変わることはない。

 

自分自身が持つ心の力に忠義を尽くし、平常心を保つ。これが修養の原点でもある。

 

円相のどの位置にいても中心は変わらない。その中心の心を創ることこそが「道理の徳」を実践することである。