心学「欲しい」

 

欲しいと思うのは人間として当たり前。ただし、欲しいと云う「欲望」を抑えないと生活に乱れを生じる。欲しいと思った瞬間に自制する善欲が必要。

 

欲にも善欲と悪欲があり、善欲は自制の力が働き、悪欲は自制の力を消す。ただ、衝動的に欲しい、生活費を使ってまでも欲しい、などは悪欲に近い。

 

それを止めるのは善欲である。自分の生活を守り、無駄な金銭を使わない、身体に無理な負担を掛けないなどである。この善悪の欲を制御できるのは、自分の心。

 

欲は生きる為の「性」であり、人間の本能でもある。この欲をより有効に用いる為にも、善欲を伸ばすことにある。

 

善欲の基本は「道理の徳」の修養。日々、無理のない生き方、無駄のない生き方を心掛け、「疲れない生活」を目指すこと。

 

人生には多くの迷いが現れては消えて行く。悪欲が心に蔓延り、心を曇らせ、より迷いや不安を深くする。また、悪欲は自分自身の利ばかり求め、不幸や失敗の原因を「人に求める」悪習を持つ。

 

自分の利を思うことは誰しもある「当たり前」のこと。しかし、他人を押し退けてまで利を求めると、自分の徳を下げるだけで、周囲の人間に嫌われる。