心学「大河」

 

大河と小川を比べれば大河の流れは茶色が多い。反対に小川は清く澄んでいることが多い。大地に栄養を与え、農業に向くのは大河であるが、一度洪水氾濫でも起こせば、土地は荒れる。

 

しかし、荒れたように見えても、大河の周囲は栄養度の高い土壌になる。

 

反対に小川の水は清い為に、飲用に向き、生活の水として大いに役立つ。しかし、それほど氾濫することもなく、周囲に栄養を運ぶことも少ない。

 

やがて、この清らかな小川は流れる先で集まり、大河の支流になり、やがて大河そのものとなる。人間関係も同じで、個人一人では周囲に栄養度の高い土壌を造ることは難しいが、人間同士が集まれば、周囲を豊かにしてくれる。

 

個人と云う小川は清く、人に水を差し上げることができる。

 

その個人が集まれば周囲を豊かにできる力を産む。これこそは天地自然の道理である。自分自身、人生の流れを観て、自分と云う河川の立場を考えてみよう。大河ほど支流の数が多く、各地域に影響を与えている。

 

一見、洪水と見える氾濫も天地自然の万法であり、ごく自然である。大地が潤す為に有史以前より、人智を超えた存在と役目であった。

 

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心学道場「恕庵」自分自身にもある人生の川と河