心学「仁商」 

 

仁とは「人を思いやる心」である。

 

商いは利益があってこそ成り立つ。

 

しかし、利益の出し方によって商いの仁徳が観える。

 

人を騙してまで儲けようとする人間。

 

商いに関わるすべての人が利を得られることを考える人間。

 

商いの流れはいつも清くなければならない。

 

それは川の水と同じで、自分も他人もその水を飲用するからである。

 

世間では「商いは正直では成り立たない」と云うが、

 

そのような商いのやり方で続いている商家はない。

 

正しき根は生存出来るが、悪しき根は絶やされる。

 

商いの原点は恕じょ(己が欲せざるところを人に施すなかれ)、

 

もし自分が買う立場になったら、その販売法を如何に思うか。

 

気持ちの良い買物をしたいと願うのは万人の思いであろう。

 

仁商とは相手の思いに立って商う徳心である。

 

*心学道場「恕庵」 相手を思う仁の心が商いの原点