心学「口を挟む」

 

人の会話に口を挟む人間は、人の話より自分の主張が先に来る「仁」の心に欠ける。自分は良いと思っても他人からは嫌がられる。主張をすることは良い言動だが、会話に口を挟むことは礼にも欠ける。

 

会話の間を観て、それから自分の意見や主張を言えば問題は起きないが、口を挟み、会話を中断させることは義にも欠ける。

 

仁に欠け、礼に欠け、義にも欠ければ、他人から嫌われても仕方がない。それほど急がずとも会話はできるはず。それは相手を抑え込もうとする悪義から始まる。

 

もし、これが反対の立場で口を挟みながら、途中その会話に他の人が口を挟んで来たら、主張の争いになり、会話にならない。全く大人気ない言動である。

 

口を挟む人間ほど相手の話を聞こうとはしない。話を聞かない為に会話の内容もちぐはぐになる。また、会話の中で欠点を探す人間もおり、その欠点を見出してはそこに口を挟んで来る。

 

まず、如何なる会話も口を挟まないこと。自分が言いたいと思うことは良い。しかし、会話の流れを考え、間を置いてから話す。

 

相手の話を聞いて、相手の意見や主張も尊重し、決して否定をしないことである。そこに自分自身の仁徳が積まれる。

 

*仁徳学問所 自分を育てるのは仁徳学の修養である