心学「妥協」 

 

人生には多くの問題が起きる。自分の意地を通す時もあれば、自ら折れる時もある。その時々において自分と相手のことを思い決断をする。

 

意地も必要な時もあれば、妥協して自ら折れる時も必要。これも自分と相手への「仁」の心である。

 

ただ、妥協とは単に自分の意思を曲げるのではなく、一旦引いた後の心を思い、次の展開を考えることである。もし、無理無駄な意思や意地であれば、引くことは正論。そうではなく相手を思いやるような妥協ならば、「仁」の心を以って、次の自分を考えれば良い。

 

自分が正しいと自信を以って言えることは、それを曲げずに心の中にしまい込み、好機を臨んで表に出すようにすれば良い。まずは徳目である「謙譲」の心を以って接することである。

 

謙譲とは自分自身の言動を慎み、相手に譲る心。この謙譲の心があれば人間関係に支障を来すことはない。これからも対人関係で妥協することは多々あるはず。

 

その時は自分の考えを下げたり改めたりするのではなく、謙譲の心を以って自ら控え、相手の意見を思いやることである。

 

その時に自分の意見を無理に通さずとも、正しい考えは残り、相手に伝わる。

 

しかし、自分の意見が正しくない、意見に無理があり、自己中心、自利が優先しているようでは、相手に伝わらないことが多い。