心学「威張る」

 

威張る人間ほど弱い心を持つ。弱いから少しでも強く見せようとする。強く見せる為には、張り物が必要である。威力の威を借りた一見強いと思わせる張り子が必要である。

 

それに萎縮する器の小さい人間もいるだろうが、器の大きい人間はそれを見破る。更に仁徳を積んだ人間は、その威張る人間を観て、憐れみの仁慈を持つ。

 

威張る人間も自分なり精一杯に生きて、少しでも自分の小ささをごまかし、大きく見せようとしている。外見は「威の張り子」で強く見せているが、心の弱さがにじみ出て来る。

 

人間、本音で生きるのが良い。自分は自分の力量で生きれば、心は疲れることなく、人間的価値も下がらない。見破られるような虚栄心を前に出すこともなく、自分は自分なりの相(すがた)で良い。

 

虚栄心はもともとない質量なので、やがて元の質量に戻る。それが天地自然の道理である。

 

自分なりに生きることが、人生の迷いや悩みを軽減し、気軽に生きられる道であり、それが本来の生き方である。