現代では聞き慣れない言葉になった「学問所」。

学問とは一体何を意味しているのだろう。

学問とは、一定の理論に基づいて体系化された知識と方法であり、哲学や歴史学、心理学や言語学などの人文科学、政治学や法律学などの社会科学、物理学や化学などの自然科学など専門知識習得の総称になっています。

明治時代に入る前は儒学でいう「聖人の学」などという言葉の文脈で使われる「学問」であり、今日の自然科学・社会科学・人文科学という意味での学問ではなく、人格を修養する手段としての学問でありました。日本においても、江戸時代の儒学者などの示す「学問」は人間の修養と、社会を治める政治学としての学問双方を意味していました。

聖徳太子時代の頃より入った学問は、江戸時代に入り徳川家康が学問を奨励し、幕府の専門学校である「昌平黌」を初めてとして、各地に藩校を創設した。やがて、儒学が国の官学となりました。武士たるものは儒学を修めなければなりませんでした。特に日本では「忠孝」の精神が育くまれました。

江戸時代の武士はこの学問を通して、道徳や人格を極め、安定した国家体制を創り、世界に類を見ない260年間の平和社会を継続して来ました。

 

画像は湯島聖堂「大成殿」「入徳門」 江戸時代の昌平黌 武士道の聖地