平成25年8月27日。昨日に引き続き、西新井の喫茶店で社長と
コーヒーを飲んでいた。
そこに、専務の奥さん。コンサルタントの社長。社長の親戚。
弁護士が1人。
昨日は二人だった弁護士が、今日は1人。しかも、なんか気の
弱そうな感じだ。
私は、「大丈夫かな~」と、若干不安になりました。
昨日と同じように、ぞろぞろと事務所に向かい、事務所に入ると、
いつもの事務スペースで談笑してるヤツら。
なんで、そんなにヘラヘラしてられるんだ?
私は、イラっとしましたが、おそらく相手方も私を見て、イラっとしていた
ことでしょう。
社長と弁護士、専務の奥さん。テーブルを挟んで一人ひとり、対応
していきます。
私は、柱の影から、ヤツらの背中を見てました。
最初は、I が連れてきた女性でした。
社長の話では、日本人じゃないらしかった。
I の愛人らしいとか噂の人です。ようは、給料を盗るための頭数要員で、
給料を I に渡してるんじゃないかくらいに、思ってました。
解雇通知書の内容を説明して、携帯などの支給品の返却。
淡々と事務手続きは、進んでいきました。
7人居るから、どれだけ時間かかるかな~、最後の I で、どんだけ時間
かかるかが問題だな。
なんて、考えていると。なにやらざわついている事に気が付きました。
「今日の交通費をください。」
I の愛人と思われる女性は、言ったようでした。I からレクチャー的な事を
受けているんだろうなと、私は、思いました。
社長は自分の財布から小銭を出して、手渡しました。
なんだかんだで、20分かかってます。2時間以上かかりそうだと、腹を
くくりました。
1人終わると、そのまま退場していただき、次々と解雇していきます。
元、私の仕事のサポートをしてくれてた女性の番が来ました。後姿しか
見えませんが、彼女はどんな顔をしているのでしょう。
I の右腕となってしまったらしいですが。そう言えば昨日、事務所に
居なかった。すぐ戻るという話だったが、戻ってこなかった。
なにか隠蔽するために動いていたか。昨日は、本社には会社側の人間が
居なかったから、ICレコーダの回収にでも行っていたのか。
昨日、本社にあの2人を、残してきたのは失敗だった!
私は、ぼんやり彼女の背中を見てました。
声が小さくて、何を話しているか、わかりませんでしたが、彼女も最後に
小銭を受け取り、出て行きました。
最初に出て行った女性の後をつけていった、コンサルタントの社長が
帰ってきました。
「西新井駅の喫茶店で、合流しとる。」
ま、そんなことかなと、思っていましたが。最後の最後で、金を手にでき
ない I は、なんてヤツらに言うのでしょう。
ヤツらは、I からなんて言われて、結束してるのでしょうか。職を失って
までも、結束しているその原動力はなんでしょう。
きっと、I は、大きな話をしたに違いありません。みんな、まだ若い。うまい
話なんて、あるはずがないのに。
I 以外の人たちに同情していると、あの4月に入ったばかりの新人男性
社員の番が来ました。
おとなしい性格の彼は最後に言いました。
「就職情報サイトの、僕のコメントを削除してください!」
彼の性格からすると、おもいもよらない強い口調です。
「いますぐ!この場で、削除してください!」
社長は、なんの事かすぐにはわからなかったようですが、事情を聞いた
弁護士先生が、今すぐには無理だが、速やかに削除する。と伝え、彼は
出て行きました。
私は、唖然として彼を見送りました。私服の彼は、ほんとに子供のようで
したが、なにが彼をあそこまで動かしたのでしょうか。
I の懐柔手口を、見てみたかった気がします。
そして、いよいよ I の番がやってきました。