上のクランクは今回のクランクなんですが、コンロッドが一定方向でシコシコ…………
いや、上下運動をしてるでしょ?
これは芯が出てる証しなんです。

芯がずれるとコンロッドは回転するんですよ。
ただし、旋盤の精度が完璧な事が前提ですが(^_^;)


最近なぜかよくノーマルエンジンのOHがよく入ってきます(`・ω・´)
昨日はNSR50のOHを一台やりました(^-^)

まず、電装やクラッチ関係を外したらクランクケースをぱっかり割るんですが、なかなかセンターのガスケットが固着してケースが割れません(^_^;)
ケースをマイナスドライバーでこじ開けたいところですがそんなことしたらえらい事になってしまいますね(;`ω´;;;;) 

こんな時カッターの刃が便利です(`・ω・´)✌
ガスケットの間にハンマーで少しだけ打ち込みます。
簡単にケースが割れますよ( ̄^ ̄)✌


ガスケットを剥ぐのにも使います(`・ω・´)
専用のスクレーパーも持ってるんですが、カッターが使いなれてるので(^_^;)

各部を点検していると、クランクのジャーナル部分に凄い溝を発見(;`ω´;;;;) 
これだけ削れてるとアウトなんですが、よく見ると、オイルシールを規定位置より深く打ち込んでましたので、規定位置に打ち込んだら溝は大丈夫でした(^_^;)

よくオイルシールを深く打ち込むチューナーがいますが、これは一次圧縮を上げるために押し込んでるんでしょうが、全く無意味です。
オイルシールを1㎜や2㎜深く打ち込んだぐらいで一次圧縮はまず上がる事はありません。

さて、ここからはヒデハルの門外不出のオイルシール挿入方法なんです( ̄^ ̄)

門外不出ですよ(=_=)

えっ?

載せたらばれる?

確かに(^_^;)

まずカウンターシャフトのオイルシールです。

通常オイルシールは全て専用の工具で打ち込みますがヒデハルエンジニアリングでは写真の様な工具を製作して挟み込んで挿入します。

これは確実にオイルシールを入れるためなんです。
以外とオイルシールは真っ直ぐに入らないもので、30年以上前からこの方法でやってます。

勿論挿入場所、エンジン毎にアタッチメントを製作しますので結構手間がかかりますがこれが完璧なやりかたなんです( ̄^ ̄)✌

下の写真はクランクL側のオイルシールです。
NSRはL側のベアリングはクランク側に着いておりハウジングにもフリーなので、センターを出すためにベアリングと同じ形のカラーを製作しています。
念のため、このボルトとアタッチメントも全く隙間が無いように製作しております( ̄^ ̄)
全く隙間がないんです( ̄^ ̄)✌

R側はベアリングを打ち込みますので、オイルシールは後回しに。

これもベアリングを挿入する工具で入れ始めから確実に平行に入ります。

先日も書きましたがケースを熱したりする愚行は絶対いたしません。
ケース炙ったらスコンと入るなんて書いてるやつは大バカ野郎ですよ(-。-)y-~

この左の鉄板にカラーが溶接されてるでしょ?
この部分がオイルシール床にぴったりと入るためベアリングの位置が決まるようになってます(`・ω・´)✌

前後しますがR側のベアリングの入れ換えです。
抜く時は専用工具を使用して抜きますが、挿入時は打ち込みます。
クランクウエブ裏側に当て板を敷いてベアリングのインナーレースぴったりのパイプを使って打ち込みます(,,• ₃ •,,)

最後にR側のオイルシールを入れますが、これもまた専用のアタッチメントを製作してねじ込みます(^_^;)
この部分が特にオイルシールが斜めになってしまいますので、クランクとピチピチのアタッチメントでなければ真っ直ぐに入りません(,,• ₃ •,,)

最後にクラッチをつけて完成(-。-)y-~

なぜこんなややこしいやり方なのかわかりますか?

ベアリングなら斜めに入りはじめてもハウジングの奥に当たって最後には平行になりますが、オイルシールは入り始めが斜めになると奥に止まりがないので斜めのままなんですよ。

それを一般のプロは軽視しているんです(-。-)y-~
地球上でこの組み方はヒデハルだけです(`・ω・´)✌
ぜひ参考にしてほしい門外不出です( ̄^ ̄)✌

0.1millimeter accuracy
ヒデハルエンジニアリング