■あらすじ
ブリュッセルの高校で、イスラム原理主義者によるテロが発生。犯人は学生を無差別銃撃し、爆弾で自爆した。救急隊員のイザベルは、パニック状態の現場に急行。負傷して意識を失っている少年を救急車に収容するが、病院に向かう途中で、彼が爆弾ベルトを身につけていることに気づく。エデンというその少年は、もう1人のテロリストだった。意識を取り戻したエデンは、救急車を止めずに走り続けるよう、イザベルに命じる。その頃、テロ対策センターは犯人を特定。エデンを逮捕するため、特殊部隊が動き出すが。(メーカーサイトより)
■ネタバレ
*ブリュッセルの高校での自爆テロの後、重傷を負った学生を搬送することになった救急隊員のイザベルとアダモ。処置のため患者の服を切断したところ、爆弾を身体に巻き付けていることが分かる。自爆犯の片割れだったその少年は、16歳のエデン・ブーファル。
*エデンは、アブデル・ハジ(両親は居らず叔父と同居する16歳)と共にテロを実行した。運転手のアダモは密かに携帯電話からメッセージを送信しようとするが、気付かれて失敗。エデンはイザベルの足に鍵を突き立て携帯を奪って、イスラム原理主義者の指示者ユーセフ・アミルに連絡する。
*ユーセフは、エデンも教わったサッカーの指導者だが1年半前から失業。既に逮捕されたテロリストのタリク・シナと、少年達との橋渡しをした。エデンに「何故生きている」と詰問し、自分が潜伏している球技場へ向かわせるユーセフ。
*救急車はサイレンを鳴らして検問を突破。エデンが目を伏せて祈りを捧げている間に、注射器に鎮静剤を仕込むイザベル。自分の足の手当をし、エデンのガーゼも交換する。
*テロ対策センターのムニエ警視が指揮を執る中、エデンの両親が呼び出される。電気工の父と、スーパーのレジ係の母だ。「息子さんは容疑者ではなく犯人です」と伝えて犯行声明の動画を見せると、動揺し落胆する父。「自分にも責任があるから逮捕して欲しい、でも息子は殺さないで欲しい」と訴える。
*救急車にはGPSが付いており、本部の救急センターから再三連絡が入る。テロの影響もあり、他に向かえる車両がないのだ。そろそろ誤魔化すのも難しい。救急隊員達が状況説明出来ず躊躇っていると、エデンはひとまず事故現場へ向かうよう指示する。
*トンネルでの現場に到着するが、事故の被害者は既に死亡していた。エデンはアダモにGPSを切らせ、現場を離れる。その頃になると、テレビやネットにエデンの顔写真が流れ始める。
*イザベルは「このままでは気絶する」と説き伏せ、エデンに応急処置をさせるように言う。点滴に鎮静剤を混入するつもりだったが「先に自分に打て」と言われて断念。
*やがてユーセフの隠れ家に到着すると、先に警察が居る。離れた場所からユーセフの射殺を見届けて、涙を流すエデン。爆弾のベルトはユーセフにしか外せないのだ。
*エデンは両親に電話、助けを求める。両親の傍らには捜査官が居て、自由には話せない。連絡がイザベルの携帯からだったため、テロリストとの繋がりを疑われるエデン。捜査の結果、程なく嫌疑は晴れる。そして漸く、エデンの居場所が把握されることに。
*救急車ではエデンから住所を聞き出し、そちらへ向かうことになる。エデンは最初からずっと起爆装置を握り締めていて、人の多いエリアに入ると祈りの声を強くする。自爆しそうだと察したアダモはどうにか制しようとするが、事故を起こして命を落とす。動けなくなる救急車。
*ムニエが無線に話し掛けると、イザベルが「青年は自暴自棄になっている。同僚は死んだ、どうすれば良いの」と訴える。エデンは話したがらず、そのまま無線を切る。救急車の周囲が包囲されるが、エデンだけを狙って狙撃するのは困難な状況だ。イザベルはエデンを宥めようと試みる。
*無線越しに[青年]と呼ばれたエデンは「俺は青年じゃない、戦士なんだ。親は子供扱いばかり、でも凄いことが出来る。意義のある人生だ」と涙を流す。エデンを抱き寄せ、鎮静剤を打つイザベル。
*エデンはイザベルに、外へ出るよう促す。警察は突撃準備を進めていたが、イザベルが現れて保護される。その後、救急車で動けなくなっているエデンも確保される。
*<前線で武器を使わずに闘う者達へ捧ぐ>
■雑感・メモ等
*映画『ドント・ストップ』
*レンタルにて鑑賞
*ベルギー製爆弾系サスペンス
*設定が良く、特に冒頭は緊迫感と臨場感があり惹き込まれる。その後は主人公側の能動的なエピソードが少ないので、ちょっと怠いかな。
*警察組織に目立つ見せ場はないけど概ね優秀。そのお陰で無駄な展開と、それに伴うストレスがないのは良い。