プライム・ターゲット | m-memo

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ネタバレだらけの映画メモ。

忘れ易いので自分用にメモしてます。
ネタバレ部分は詳細を記載することもあれば、
二言三言のこともあります。

 

■あらすじ
アメリカ大統領との首脳会談を控えた当日、ベルギー首相・デフリーゼに信じがたい事態が起きる。謎の組織に拉致された上、妻と子どもたちを人質に取られてしまう。組織のリーダーと思しき男から、生きて家族に会うことと引き換えに、ある人物を殺すよう強要される。 それは「これから会うアメリカ大統領を撃ち殺せ」という究極の暗殺指令だった。デフリーゼ首相は、監視役の運転手兼ボディーガードと共にアメリカ大統領が到着する空港へと向かう…。強大な監視と裏工作ネットワークで全ての行動が見張られ、外部へ助けを求めようにも先手を打たれ阻止されてしまう。暗殺実行を戸惑うにつれて家族への脅迫も激しくなっていく。味方無しの絶体絶命の危機。刻一刻と暗殺へのリミットが迫る中、はたしてデフリーゼ首相は、どんな決断をくだすのか。世界は彼のアクションに託された。(メーカーサイトより)

■ネタバレ
*米・EU首脳会議を控えた夜明け前のブリュッセル。ベルギー首相ミシェル・デフリーゼは、車での移動中に拉致されてしまう。運転手ルクは射殺され、補佐役エヴァ・ボダールは姿が見えなくなる。妻クリスティンと2人の子供達が拘束されている動画を見せられて、突き付けられた要求は「会談相手の米国大統領を撃ち殺せ」と言うものだった。
*「銃は事前に手渡す」と告げられ、解放されるミシェル。追跡装置の付いた腕時計と新しい運転手が用意されていて、自由に行動出来そうにない。返された携帯電話で安全保障局へ助けを求めようとしても、メールの動きも監視されている。勿論パソコンも同様だろう。迂闊に動けば家族が殺されてしまう。誰かに知らせる事も逃げる事も不可能だ。
*やがて米国大統領が到着、ミシェルは空港で出迎える。幸いエヴァは殺されておらずその場に現れる。彼女はミシェルが家族を人質にされ、暗殺を命じられている事を知らされている。しかしミシェルと同じ腕時計で監視されていて、誰かにこの状況を伝える事は出来ない。
*一方廃工場に拘束されているクリスティンは、体調が悪い娘ラウラを病院へ連れて行きたいと訴える。頭部に袋を被せられて連れて来られた女医は「病院へ連れて行くべき」と言うが、結局男達の圧力に負けて嘘を吐き通す事が出来ない。ラウラの症状は蕁麻疹の一種で、クリスティンが娘のアレルゲンであるゴム手袋でワザと触れたために起こったものだった。女医は射殺され、クリスティンは子供達と引き離されてしまう。
*ミシェルの首席補佐官ポール・ヴランクスは、見慣れない運転手を不審に思い記録を確認する。リック・ブルースと言うその男には1年以上の勤務実績がある事になっている。やがて会談前の会議が始まり、ミシェルとエヴァは隣り合った席に座る。パソコンにテキスト入力し、現状を打破出来ないかとモニタ上で相談する2人。しかし連中が監視しているのはメールの送受信内容だけではなかった。テキスト入力画面に『止めておけ、指示に従え』とのメッセージが表示される。
*埒が明かず、ポールに目配せをして会議を中座するミシェル。途中で腕時計を投げ捨てて屋上へ向かう。追って来たポールから携帯電話を借りると、議場へ戻るように促す。1人になってから安全保障局へ連絡しようとするが、リックが駆け付けてこれを阻止。ポールの携帯は壊され、再び腕時計を着けさせられる。会議終了後、ミシェルの行動に納得出来ないポールが「事情を説明しろ」と詰め寄る。首席補佐官を誤魔化し続けるのは困難だ。奴等はあらゆる監視カメラ等にアクセスしてこの様子も見守っているだろう。ミシェルは「ポールに何かあれば計画は終わりだ」と宣言して、彼に事情を説明する。
*リックの運転で、ミシェルとエヴァにポールが加わり車で移動する。助手席に座るポールの胸をリックが軽く小突くと、間もなくポールは呼吸困難に陥る。リックが指輪に仕込んだ毒針で刺したのだ。車を停めさせて「まだ息がある」とミシェルとエヴァが介抱しようとするが、リックがポールに発砲して「今はもう違う」と言い放つ。程なく一味の仲間が駆け付けて、ポールの死体を片付ける。泣き崩れるエヴァを抱き締めるミシェル。「そう言う関係か」と軽い口調で揶揄うリック。
*サンカントネールへ到着して、米国側の警護責任者ドイルと対面するミシェル。リックは金属探知機に引っ掛かるが、指輪を外してゲートを通る。その指輪こそ武器なのだが、エヴァはそれを警備員に伝える術がない。その後エヴァもドイルに会い、握手の際に密かに『危険、大統領を連れ出して』と書いたメモを手渡す。その上でミシェルと合流し、ノートパソコンの画面を見せる。入力するのではなく、紙に『米国大統領の危険を警護責任者に知らせた』と書いて挟んでおいたのだ。
*状況が変わる事を期待する2人だったが、ドイルは何もせずに写真撮影の場所へ米国大統領を迎え入れる。ドイルこそ首謀者だったのだ。警護担当者の中に何人の敵が居るのか?エヴァは危険を感じて逃げ出すが、結局リックに捕まってしまう。エヴァや家族を盾に、改めて脅されるミシェル。米国大統領を撃てば自分が生き残る可能性は低い。敵の責任者は電話越しに『家族や女の事を考えて行動しろ、お前は犠牲になれ』と言う。
*米国大統領との会食へ出席するミシェル。クリスティンも連れて来られていて、一緒のテーブルに着く。彼女もまた例の腕時計で監視されている状態だ。ミシェルから「ポールやルクはもう居ない」と彼等の死を知らされ、クリスティンは動揺を隠せない。彼女がトイレに立つと、エヴァがそれを追う。
*トイレで嗚咽するクリスティンをエヴァが宥めていると、リックが駆け付ける。勝手な行動を繰り返したエヴァは手酷く殴られる。リックは煽るように、ミシェルとエヴァの浮気の証拠写真をクリスティンに見せる。エヴァとリックが揉み合いになり、エヴァが隠し持っていた食事用のナイフでリックの背中を刺す。それは致命傷ではなく、ポールと同様に指輪で絶命するエヴァ。彼女は事切れる前に腹部に触れて、クリスティンに「本当にごめんなさい」と言う。ミシェルの子を妊娠していたのだ。
*リックも重傷だが、病院へ連れて行くのはリスクが大きい。結局彼も仲間から見捨てられて、死体袋に詰められる事になる。それを悟ったリックは、自ら指輪を首筋に突き刺す。テーブルに戻ったクリスティンにエヴァの行方を尋ねるミシェル。「エヴァはもう居ない」とその死を伝えるクリスティン。「あなたの子を身籠っていたのね」「説明するよ」「今はそんな場合じゃないわ」「話せるのは今しかない」「生き残れるわ、実行して」夫の手を握る妻。
*会食が終わり、クリスティンはまた連中に連れて行かれてしまう。遂に銃を手渡されるミシェル。大統領を殺す理由を尋ねると、ドイルは「理想主義者で甘過ぎる、平和のためには敵を倒す必要がある。30年間国に尽くしてきたから許せないのさ、シロクマの心配をしてる間に国が破滅するのがね」と言う。警護担当者全員が仲間だと言う訳ではなく「選ばれし者と地元の金目当ての奴等」が計画に加担しているのだと話すドイル。自国で実行しない理由については「特別な事をして世界を目覚めさせる」と言う。「人々はより強力な防衛を求める。断固とした対応、多方面への侵攻…皮肉にもそれが我が国を安全にする。ブリュッセルは悪の巣窟だ、誰もがイスラエルの仕業だと思う。複数のジハード組織が犯行声明を出すだろう」
*ミシェルは米国大統領と、2人だけの会談に臨む。大統領は熱心に取り組んでいる気候問題について切り出す。部屋には他に誰も居ないが、ドイル達が監視カメラで成り行きを見守っている。ミシェルは大統領を狙わずに発砲して、窓から逃走する。会食中にクリスティンが手を握った時に、ミシェルにメモを手渡していたのだ。メモには『実行せずに森の廃工場へ来て』と書かれていた。拘束中や移動中は周囲の様子が分からないように頭部を覆われていたが、子供達が逃げ出した時に廃工場の中を歩かされて、場所を示すプレートを見ていたのだ。
*銃声を聞いて部屋に踏み込む警護班。中には無傷の米国大統領が居た。ドイルの仲間は「我々が遂行しますか?」と訊くが、ドイルは先ずミシェルを拘束しようとする。大統領は保護され、ドイル自身が状況を説明する。ベルギー首相にノイローゼの兆候があり、自殺の可能性もあるとの情報があった。しかしそれを重要視しなかった。ドイルが全ての責任を取るが、この件を公にする事は妥当ではない。隠密にするべきだと。
*逃走中のミシェルは空中へ威嚇発砲して、通り掛かった車を奪う。クリスティン達には一旦殺害命令が出るが、ミシェルがまだ発見されていない。ドイルは切り札として、ミシェルの家族を生かしておく事にする。腕時計を投げ捨てたが、携帯電話で追跡されるミシェル。廃工場に向かっていると知られて、敵が待ち構える。対抗しようにも拳銃が一丁のみで、弾はもうない。逃げるのに5発・車を奪うのに1発使った事は相手もお見通しだった。
*結局彼等は計画を変更し、ミシェルや家族を解放する。米国大統領が公にしない事を承服したため、別の機会を狙う事にするようだ。ミシェルが口外しなければ何もなかった事になる。ミシェルは空港で大統領を見送る。彼女は「私に何か言いたい事は?」とミシェルに尋ねて「電話してちょうだい」と耳打ちする。
*家に戻されて、クリスティンや子供達と無事に再会するミシェル。クリスティンは「何も証拠がない、黙っているしかない」と言う。その方が子供達も安全だろうと。しかしミシェルは、寧ろこのままでは危険だと考える。彼はクリスティン達が拘束されていた廃工場へ出掛けるが、何の痕跡も残さずに片付けられている。しかしタイヤの跡を見て、ミシェルは停められていた車のナンバープレートを思い出す。[LT]の表示、それはリトアニアのものだ。
*ミシェルは米国大統領に直接電話を掛ける。その後エヴァ達の遺体が乗せられたトラックがリトアニアのクライペダで発見されて、一味が拘束される。そこからドイルも現地の協力者も逮捕される。大統領は会見を開き「ベルギー首相の並外れた勇気と確固たる意志のお陰です」とミシェルを称える。
*日常を取り戻すミシェル達。クリスティンと子供達が、明るい陽射しの下で遊んでいる。庭先の光景を笑顔で見守るミシェル。しかし家族の周囲には、以前とは違って複数の警護員達が居る。クリスティンには事件の他にも忘れ難い事もあり、完全に元通りにはならないのだった。

■雑感・メモ等
*映画『プライム・ターゲット』

*レンタルにて鑑賞
*ベルギー製国家元首系暗殺サスペンス

*ジャケットの『[標的]アメリカ大統領[暗殺者]ベルギー首相』に盛大に釣られてレンタル。殺る気満々の元諜報部員的な首相とか『METAL WOLF CHAOS』みたいな戦う大統領とか?と勝手に想像してしまってた。実際には存外地味な映画。お話の大半はベルギー首相が脅され虐げられ、最終的に計画は白紙に戻される…と言う展開がどうにも盛り上がらない。
*動機からしてもそこまで奇を衒う必要はないよねと思うし、その資金は何処から?と言うのが謎。そして逮捕の足掛かりとなるのが車両のLT(リトアニア)の表示で、それだけで特定出来るのかと吃驚。状況からしてナンバーを全部覚えてた訳でもなさそうなんだけど、よく分からない。
*事件以前、ベルギー首相の日常警護があんなに手薄で良いのかと言う点も気掛かり。しかもそれが米・EU首脳会談当日の状態で、その会談場所からも結構アッサリ逃走してしまっている。流石に無理があるのでは。
*主演がケーン・デ・ボーウと言うのも見た理由の1つ。 『ザ・ヒットマン』 『HITMAN X. 復讐の掟』 のヴィンケ&ヴェルスタイフトのコンビが好きだったから。2017年に3作目が製作されているみたいなんだけど、これもいつか日本で見られないかな。