ザ・カナル 悪魔の棲む場所 | m-memo

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ネタバレだらけの映画メモ。

忘れ易いので自分用にメモしてます。
ネタバレ部分は詳細を記載することもあれば、
二言三言のこともあります。

 

■あらすじ

国立映像記録局の保管係の男が、古い 記録映像の整理中に、彼の自宅で過去に残虐な殺人事件があったことを知る。それ 以来、犯人の亡霊を感じるようになる。(動画配信サービス作品頁より)

 

■ネタバレ

*国立映像記録局に勤めるデイヴィッド・ウィリアムズは、美しい妻アリスと恐竜が大好きな息子ビリーと暮らしている。職場で古いフィルムの確認をしていると、1902年の犯罪現場の映像があり、5年前に引越した自分の家で過去に殺人事件があったと知る。寝室で夫が妻を殺し、運河に捨てたらしい。

*ある日夫婦でパーティに出掛ける事になり、ソフィーと言うベビーシッターを雇う。パーティではアリスがアレックスと言う男と随分親しそうに見えた。後日アリスを尾行すると、アレックスの家で彼とセックスしている姿を目撃してしまう。思わず傍にあったハンマーを手に取るが、何も出来ずそのまま家を出る。

*ハンマーを持ったままだった事に気付き、歩きながら放り投げる。気分が悪くなり、運河沿いの公衆トイレに入る。そこはビリーの友達が幽霊を見たと言う場所で、壁中を派手な落書きが埋め尽くしている。個室で嘔吐しているとドアの外に誰かが立つ。汚れた指がドアの上から覗き、直ぐ傍で「主人に渡せ、女を差し出せ」と言う囁きが聞こえる。トイレの外からは「デイヴィッド、殺さないで」と命乞いをする声がする。誰かがアリスの傍に立っている。

*どうにか家に帰るがアリスは戻っていない。翌日には警察に届け出て、マクナマラ捜査官にアリスの写真を渡す。その日は運河沿いの草むらの捜索が行われた。「夢にママが出てきた」と寂しがるビリーを抱きしめていると、鏡に誰かの影が映るが一瞬で消える。

*翌日には運河の捜索も始まる。マクナマラ捜査官が「ある男がアリスの愛人だと名乗り出た」と言う。失踪した日に一緒に居たが、上司から電話があった。上司も電話越しにアリスの声を聞いており、そのまま1時間話していたそうだ。それで愛人のアリバイは成立している。アリスと愛人は1年の付き合いで、友人・知人の誰に聞いても相思相愛だったらしい。デイヴィッドに追い討ちを掛けるように、運河からアリスの死体が発見される。

*検死が行われ、暴行の痕跡はなく水死であるとの結論が出る。ヒールが折れているため、転落して溺れたのだろう。失意の中で葬儀を執り行うが、義母は無遠慮にもアリスの愛人アレックスの話題を持ち出す。「彼は心底嘆き悲しんでいて、周囲は入院した方が良いと言っている」と。義母は「ビリーを暫く預かる」と言うが、デイヴィッドはそれを拒絶。ソフィーに住み込みで働いてもらう事にする。

*同僚のクレアはデイヴィッドに好意的だ。葬儀の夜アリスを尾行した事、男がアリスの首に腕を回していた事を彼女に話す。しかし、意識が朦朧としていたため相手の容姿も分からず、尾行していたなんて言えば犯人だと思われるに違いない。自分であの男を探すしかない。

*仕事中に古いカメラに不審な影が映る事に気付いたデイヴィッド。家に持ち帰り撮影してみると、居る筈のない男が映る。壁からは微かに祈るような声が聞こえて、ソフィーを呼ぶが彼女には聞こえない。壁を崩してみても何もない。外へ出るとマンホールの蓋が開いている。振り向くと家の中に人影が見えて、慌ててビリーとソフィーをホテルに行かせる。

*クレアに映像を見せて、人影の件を主張するが取り合ってもらえない。ホテルに居るビリーとパソコンのビデオ通話で話していると、一瞬室内に人影が見える。ビリーにPCを動かすように言うと、今度は男の姿がはっきりと見える。急いでホテルへ駆け付け、息子とソフィーを連れ帰る。事情の分からないソフィーは疲弊し「明日で退職したい」と申し出る。「ビリーの傍には居たいが、あなたの様子は普通ではない」と。

*その夜、ソフィーはベッドで何者かに押さえ付けられ泣き叫ぶ。デイヴィッドが強引に彼女を引き摺って納戸に押し込み、その後「家中を調べた」と言い開放する。彼女は怯えて部屋に戻り、その後姿を消す。

*運河の傍でカメラを回すと、女の影が立ち上がる。恐怖に震えながらも眼を強く閉じてカメラを回し続ける。眼を開けると女の影は消えている。フィルムを見られる状態にして欲しいとクレアに頼み込む。家では小麦粉を撒き、誰かが来れば分かるようにしておく。

マクナマラ捜査官がやって来て、小麦粉に不審な顔をする。捜査官はデイヴィッドの指紋付きのハンマーが見付かったと言う。ソフィーの通報でビリーと引き離されそうになるが、弁護士を交えて話し合いをする。福祉担当者は精神科医の診断を待つ事を了承してくれた。しかしデイヴィッドは「病院には行かない」と提示された条件を拒絶する。

*崩した壁の中から、以前にはなかった古い写真を見付ける。写真の裏に『残酷な復讐』と書かれたものがある。マンホールの蓋が開いていて、中には紙に包れた赤ん坊の人形がある。水の中から指が伸びてきて、慌てて逃げる。

*クレアがテープを届けてくれたため「一緒に見よう」と誘う。フィルムを準備しながら「この部屋で赤ん坊が生贄になった。運河に放ったんだ」と話す。クレアは「あなたがアリスを殺したの?違うなら否定して」と言い、デイヴィッドにキスする。デイヴィッドはそれには無反応で、テープを見ようと促す。テープには確かに女のシルエットが映っている。そしてそれは次第にこちらへ近付いてくる。クレアが「テープを止めて」と絶叫し、彼女は壁に引き摺り込まれる。

*ビリーを連れて外へ逃げようとすると、張り込んでいたマクナマラ捜査官に「何があった」と詰め寄られる。家に駆け戻り、ビリーを抱えて裏口からマンホールへ。マクナマラ捜査官も追い掛けてくる。その時、クレアを絞め殺した事・アリスを運河に突き落とし、助けを求める彼女の頭を押さえ込んだ事を思い出す。全て自分がやった事なのだ。

*暗く汚れた下水道の中、泥塗れで赤ん坊を生み落とすアリス。彼女に追われながら下水道を走り、やがて運河へと放り出される。ビリーだけがマクナマラ捜査官に助け出される。

*祖母はデイヴィッド達の家を売りに出す。ビリーは1人、部屋へ恐竜の本を取に行く。すると割れた壁の隙間から、父の声がする。「パパだよ、ママと一緒だ。ビリーもずっと一緒に居たい?愛してるよ」と囁く声にビリーは「僕も」と答える。そして壁に耳を寄せて、何かを聞いている。家を出て、祖母の運転する車の後部座席に居るビリー。シートベルトを外してドアを開け、走行中の車から転げ落ちる。

*自分の家、部屋の中に居るビリー。静かにドアを閉じると、不動産業者の女性がそれを見て微笑んだ。

 

■雑感・メモ等

*映画『ザ・カナル 悪魔の棲む場所』

*動画配信サービスにて鑑賞

*『運河の底』の別題あり

*アイルランド製ゴースト系+それは自分だった系サスペンス

*主人公の掴み所がない雰囲気とお話のテンポから序盤でこの映画を思い出したんだけど、見終わってみたら全体的にも色々似てた。妻の浮気と死・殺した記憶がない主人公・妊娠していた妻・壁に開けた穴・水。

*主人公が正気じゃないから、何が真実で何が虚構なのか分からない。でもラストからすると、完全に妄想と言う訳ではなく家に亡霊が棲み付いていたのも事実なのかな。しかしこのラストは胸糞悪い。不動産業者は事情を知っていると言う事?(あの状況で笑顔になるのがどう考えてもおかしいんだけど。)

*翻訳の具合なのか、よく分からない部分が幾つか。「アリスが失踪した日に一緒に居たアレックスが、上司と電話で1時間話した。その時、上司もアリスの声を聞いている」これで何故[アリバイ成立]なんだろか。アリスが「もう帰る」的な事を言って、その後1時間話していたと言う事ならまあ分かるけど。「デイヴィッドの指紋付きのハンマーが発見された」て言うのも、アリスに外傷がなかったんだから意味のない情報のような。「妻を殺して運河に捨てた」事件の他にも「若い母親が放火して赤ん坊を殺す」「ジャクソンと言う男が乳母に暴行を加えて斧で殺す」と言う事件もあったみたいだけど、これも同じ家での出来事なのかな?妻の殺害については過去の事件と類似性があるとしても、ベビーシッターは無事だったから半端な情報を出されると分かり難い。

*逆に序盤で「デイヴィッド、殺さないで」と言う台詞を入れてしまうのは分かり易過ぎる。

*全体的にはテンポ緩めだけど、下水道での妻は割と怖い。