フレンチ・ラン | m-memo

m-memo

ネタバレだらけの映画メモ。

忘れ易いので自分用にメモしてます。
ネタバレ部分は詳細を記載することもあれば、
二言三言のこともあります。

 

■あらすじ

パリ、革命記念日前夜、市街で爆弾テロが発生。容疑者として浮上したのは、スリの若者マイケル。捜査を担当することになったCIA捜査官ブライアーは、イラクで命令を無視し、テロリスト6名を射殺した当局きってのアウトロー。いち早くマイケルを確保したブライアーは、彼が無実であることを感じ取る。ブライアーはマイケルの抜群のスリテクニックを買い、自らの無実を証明するために、捜査に協力することを持ちかける。誕生した“CIAとスリ”による前代未聞のコンビは、真犯人を探すため、パリの街を疾走する!そして、「36時間後の革命記念日にパリの街を制圧する」という犯行声明が出たことから、事件はフランスの国家的危機へと発展していく―。真犯人は誰なのか?事件に隠された巨大な陰謀とは―?(公式サイトより)

 

■ネタバレ

*スリのマイケル・メイソンは街角で見掛けた女性の鞄を盗む。携帯電話を抜き取り、ウィッグやテディベアが入った鞄はシュバリエ広場に捨てる。実はテディベアには爆弾が仕掛けられており、爆発により4人が死亡する。

*ゾーエ・ナヴィルは「誰も傷付かない」と聞かされて、恋人ジャンの指示で爆弾を仕掛ける筈だったが清掃員と遭遇。そのままフランス極右政党本部ビルを出て鞄を盗まれた。予定とは場所が違ったが、爆発後にジャンの仲間達は犯行声明を出す。「36時間以内にパリを屈服させる」と。それは7月14日の革命記念日[バスティーユ・デイ]目前の事だった。

*普段は監視カメラの死角で盗みをするが、鞄を捨てた時にはマイケルの姿がカメラに捉えられていた。財務大臣を監視していたCIAのカメラには、より鮮明なマイケルの画像が偶然記録されている。パリ警察に渡せばCIAの監視活動が知られてしまうため、当面情報は流さない事になる。

*容疑者はアメリカ人のため放ってはおけない。CIAパリ支局の責任者カレンは、24時間情報を抑えると言う。その間に容疑者を確保したい。捜査官ショーン・ブライアーは、容疑者マイケルが公衆電話からコレクトコールで母親に連絡をしたとの情報を聞く。その公衆電話付近で、記録がなく現金払いの建物が怪しいと睨むブライアー。一方マイケルは、ニュースで自分のぼやけた顔写真を見て慌てて逃げ出す。そこをブライアーに見付かり、逃走劇の末確保されてしまう。

*高級住宅街、アパートの一室。そこにはCIAの隠れ家兼取調室がある。自分はテロリストではなくスリだと訴え、実演もしてみせるマイケル。そこへゾーエの携帯電話のGPSを辿って、テロリスト一味がやって来る。ブライアーとテロリストが揉み合いになり、その隙に逃げるマイケル。アパートの住人が通報したため、テロリストはそのまま撤収する。

*パリ警察は爆弾がモスクの一角で作られたとの情報を入手。特捜隊のラフィ隊長が捜査の担当になるが、ラフィを筆頭に特捜隊こそがテロリスト集団だった。モスクの情報も捏造で、突入した隊員が爆弾を持ち込んでおいて発見したように自演する。警察がモスクを挑発していると騒ぎになり、ネットには対立を煽る動画が投稿される。更に警官がアラブ人を暴行する映像も流出、対立が激化。街は警察を糾弾するデモ参加者で溢れるが、それも全て特捜隊の企み通りだった。

*一方マイケルは、盗品を持ち込んでいたバルベスの故買商ババに匿ってくれるよう頼む。しかし既に警察から手が回っていて、部屋に閉じ込められてしまう。壊れていた部屋の壁から外へ出るが、待ち構えていた狙撃手がマイケルに狙いを定める。間一髪のところをブライアーに助けられ、ゾーエを探すのを手伝えと持ち掛けられる。

*ゾーエは仲間を頼ってデュリス街へやって来る。ブライアーもゾーエの携帯電話のデータから、同じ場所に向かう。ゾーエと仲間達はブライアーの車を燃やしてバイクで逃走。ブライアーは通り掛かった民間人の金色のベンツを奪い取る。ゾーエが金髪の男のバイクに乗っているのを見たブライアーは、彼女の携帯電話に残る写真をCIAの顔認証システムで調べようとする。しかし、そんな事をしなくてもマイケルが金髪男のバーを知っていた。

*ブライアーは顔を見られたため、マイケルが単身店に乗り込む。騒ぎを起こした隙に金髪男の身分証を掏り取るマイケル。住所が分かり、身を隠していたゾーエを捕まえる。カレンは連行するように指示するが、時間がないと突っ撥ねるブライアー。ゾーエも連れて、爆弾を作った男ジャンが居るクレベール街へ。すると、ジャンは首を吊った状態で死んでいた。ゾーエを逃がして殺されたのだ。彼は手首に炎を象った刺青をしていた。更に、隠されていた身分証からジャンはパスカル・フィベールと言う捜査官だったと分かる。

*「モスクは濡れ衣で首謀者は特捜隊、誰かが混乱を煽っている」とカレンに伝えるブライアー。カレンは「我々の手に余る。フランス情報部に伝える」と言う。リビアで一緒に仕事をしたガミュー局長なら信頼出来るだろう。証人を確保している事をガミューに伝えるが、彼もまたテロ集団の一員だった。ブライアーに引き渡しの際の合言葉[マイクα]を伝えた途端、カレンはガミューに射殺されてしまう。そうとは知らず迎えの車に乗るブライアー達だったが、やって来た護送官の手首にも炎の刺青がある事に気付く。揉み合いになり、ブライアーを中心にマイケルとゾーエも協力して敵を全て倒す。

*ラフィ達の計画は大詰めだった。「ファシストを倒せ」「政府を倒せ」とネットで煽る。国立銀行を標的にしたハッシュタグを拡散した結果、空前のデモ隊が銀行を取り囲む。暴動を起こして特捜隊が銀行を警護する状況を作る…そして裏では特捜隊が金を奪うのだ。彼らが狙うのは、持ち出しが困難な現金や金塊ではなくデジタル通貨だ。銀行の最深部でシステムに直接アクセスして5億ユーロを送金する。

*「泥棒は見過ごせない、仲間の仇も取りたい。お前等は足手纏いだ」とブライアーは1人で国立銀行に潜入する。マイケルとゾーエは護送車の中で待っていたが、車内の無線で「侵入者を制圧した」と聞く。ブライアーが捕まったのだと思った2人は車の外へ。デモ参加者を煽って機動隊を突破、群衆と共に銀行のドアを破る。ブライアーは敵である特捜隊に足止めされていたが、デモの人々が雪崩れ込んだ混乱に乗じて最深部へ到達。他の特捜隊はどうにか倒すが、ラフィだけ逃してしまう。

*ガミューは「計画を中止しろ」と指示するが、「送金はもう済んでいる、堕ちる時は一緒だ」とラフィは答える。ラフィに危機感を覚えるガミュー。一方ブライアーは「ラフィの胸ポケットにはデジタル通貨のデバイスがある」と無線でマイケルに伝える。マイケルはデモ参加者が被る黄色いマスクを着けて、ラフィからデバイスを盗む。マスクのためマイケルは見付からないが、ゾーエがラフィに捕まり人質になる。マイケルとラフィが睨み合う状況になると、ガミューは「ラフィ隊長が真犯人だ」と言い一斉射撃させる。マイケルも撃たれるところだったが、ブライアーが身を挺して救う。傷を負ったブライアーを助け起こすゾーエ。マイケルはデバイスを持ったまま姿を消した。

*マイケルは未だテロリストとして指名手配されている状態だ。偽造パスポートが必要だろう。ガミューは故買商ババに「凄腕のロシア人セルゲイの噂を流せ」と命令する。やがて噂を聞いたマイケルは、セルゲイに会えると言う教会に姿を見せる。そこで待っていたのはガミューだ。彼は偽造パスポート・ブラジル行きの航空券・現金10万ドルをデバイスと交換する事を要求してくる。5億ユーロとの交換では割に合わないが、断れる立場にはない。パスポートを渡され、地下へ導かれるマイケル。ガミューはマイケルを射殺しようとするが、そこにはブライアーが待ち構えていた。マイケルに銃口を向けて「銃を下ろせ、友達を撃つぞ」と言うガミュー。「こいつの事か?」と言いマイケルの胸を撃つブライアー。驚き戸惑うガミューを待機していた警官が取り囲み、彼は連行される。マイケルは防弾チョッキを着ていたため無傷だった。しかし痛みはある。「本当に撃った」とぼやくマイケル。

*「俺はどうなる?CIAは報奨金をくれる?」「仕事をやる」「仕事ってCIAの?」「車を洗え」「爆弾の探知って意味?」「水と洗剤で洗車だ」「監視が良いよ」「駄目だ」「郵便係は?優秀だぜ」「…頭を撃てば良かった」2人は揃ってパリの街を歩いて行く。

 

■雑感・メモ等

*映画『フレンチ・ラン』

*レンタルにて鑑賞

*イドリス・エルバ主演のサスペンス・アクション

*短い尺で適度にアクションが入る、このサイズ感がとても良い。意外とちゃんとバディムービーだったとこも好き。相性の悪い2人が次第に距離を縮めるのかな?と思って見てたのに、殺伐としたまま終わった。て事もあるので、この展開とラストは安心出来た。

*ショーン・ブライアー:CIA捜査官。無謀で反抗的と評価される。前任地でのトラブルから、カレンの進言によりパリ支局へ異動。対人関係が苦手で無謀・反抗的・無責任。直ぐに暴力に訴える等と評価される。

*マイケル・メイソン:スリを生業としている青年。ラスベガス生まれで父はカジノ経営・母は不動産業。成績優秀だったが父が借金を作って逃亡し転落、高校中退。リノで賭博詐欺、その後4州から詐欺罪で令状が出た。保釈中に逃亡し、観光ビザでフランスへ。母親に電話したのはこの18ヶ月で2度。親も彼の居場所を知らない。14歳から16歳までの記録ではエロ雑誌とCDの万引き、継父の車を盗んで大破させた。衝動的で洞察力に欠け、再犯の可能性が高いと評される。

*上記は本編中で語られる設定。マイケルの経歴が細かい。サクレ・クール寺院でモデルを全裸で歩かせて、それに注目している人々からスリを働く…と言う導入部。中盤ではゾーエの居場所を知るために金髪男の店へ。客の携帯電話を盗んで別の客の上着のポケットへ入れる。客同士で騒ぎになったらカウンターの跳ね上げ式の出入口にグラスを置き、金髪男が騒ぎの仲裁をしようと出てきた時に飲物が別の客に掛かるようにする。これで更に騒ぎが大きくなったら金髪男の財布を盗み、身分証だけ抜き取って財布をビリヤード台に投げる…と言う流れがお見事。そして終盤では主犯格からデバイスを掏り取る。スリの技術を最後まで活用しているのが良い。犯罪だけどね。

*面白かった会話の抜き出し:「金を貯めて医大に入る」「嘘だ。嘘を吐くと左を見るぞ」/「約束してくれ、彼女が見付かったら俺を自由に。…指切りを?」/「良い腕だ、スリのドラフト指名選手か」「トップさ」(略)「言う通りにしたぞ、チームだろ」「リーグが違う」/「CIAにはお前のような有能な男が必要だ。俺達は似た者同士だ。俺は中米で生まれ、孤児で英語も話せないただの悪ガキだった」(略)「騙したな。…本当に中米生まれ?」「コネチカットだ」/「あんた笑うと別人だね。(無言でエレベーターに乗り込み)俺に銃は?」/「私達の愛は本物よ。…あなたも経験あるの?嘘と色仕掛けで思い通りに人を操る?」「ああ、凄腕だよ。プロだから」「お前は黙ってろ」/最後も上記の会話があって、エンドロールでは♪この街は俺達のもの、ドキドキするぜこのフィーリング♪てな曲が流れる。とてもバディ感ある。

*因みにエンドロールは紫の地に白文字。

*ちょっと分からないのがデバイスの事。冒頭でCIAパリ支局の職員がブライアーにデジタル通貨の話をチラリとするんだけど、ブライアーは現場専門だから全然詳しくないみたいな反応。それでその話はお終いになる。デバイスがラフィの所持品ならそれ自体には事件性はないんだろうけど、何故あの場面でデジタル通貨の話をしたんだろうか。あの方法で送金して足がつかないと言うのも不思議な感じ。