デス・ルーム | m-memo

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ネタバレだらけの映画メモ。

忘れ易いので自分用にメモしてます。
ネタバレ部分は詳細を記載することもあれば、
二言三言のこともあります。

 

■あらすじ

伝説の恐怖映画の撮影セット"死の館" の見学ツアーに集まった男女7人が監禁されてしまう。脱出できないまま、それぞれの身に起こった恐怖体験を語り始める。(動画配信サービス作品頁より)

 

■ネタバレ

*人影のない閉園時間間近の映画スタジオに、VIPツアーの参加者がやって来る。6人の客は案内役の老人に [死の館]に入りたいとせがむ。それはデズモンド・ハッカー監督の有名な恐怖映画『ヒステリア』のセットだ。デズモンドはセットで悪魔の儀式を行っているとの噂が立って撮影所を追放されたが、セットはまだ残されている。「建物は古く仕掛けは本物であるため危険過ぎる」とツアーガイドは断るが、彼らが持つチケットはどこにでも自由に出入り可能だとの触れ込みだ。

*結局[死の館]に入る事になる7人。様々な小道具等が置かれたセットで楽しんでいると、ある部屋から声が聞こえてくる。扉を開けてみると暗闇で、奥は何も見えない。やがて、全員が大きなテーブルのある部屋に集まる。そろそろ外へ出たいが出口が分からない。そこで案内人が、ここで撮影された映画の通りに恐怖体験を話したらどうかと提案する。映画ではそうする事で外に出られたのだ。監督は役者を本当に閉じ込めてその映画を撮った。語る恐怖話は、実際に起こったものでなくてはならない。誰かが探しに来るとしても翌朝になりそうだ。ツアー参加者達は仕方なく話を始める。

*女優フィービー・ケーンの話:オーディションで門前払いにされたフィービーは、自分の何が悪いのかと思い悩む。顔は悪くない、胸が小さいのが原因だと考えて豊胸手術を受ける事にした。彼女が選んだのは、シリコンではなく死体の乳房から抜き取った組織を使用すると言う新しい技術だった。手術は成功したが、胸に近付けた指が突然切れ、恋人の身体には鬱血したような痣が出来た。虫に刺されたのだろうと考えたが、フィービーの胸に吸い付こうとした彼氏が乳首に舌を咬まれてしまう。何が起こったのかと思えば、彼女の乳首が開き、中には尖った牙が並んでいる…吸血オッパイだ。手術をした病院を訪ねると医師は姿を消しており、ある研究所を教えられる。研究所には3人の女装の医師が居た。豊胸手術について問い詰めると「人間の可能性を広げる研究だ」と言う。彼らの胸にも大きな乳房が付いていた。

*建築家ヘンリーと妻ジュリアの話:ヘンリーが会議のため、妻ジュリアを伴って日本へ行った時のこと。ジュリアが会場で不穏な絵を眺めていると、セイシンと言う男が声を掛けてくる。彼は日本語しか話せないため意思の疎通は出来ないが「地獄を恐れる女の絵だ」と話す。[ジゴク]と言う単語のみが印象に残り、その言葉を繰り返すジュリア。翌日、夫婦である寺を散策しているとセイシンの首吊り死体を発見してしまう。彼はその寺の修行僧だったと言う。夜になるとジュリアとヘンリーの寝所にセイシンが現れ、ジュリアは彼と交わる。夜が明け、妻の不在を知ったヘンリーは必死に彼女を探し回るが手掛かりはない。寺を訪れ事情を話すと、僧侶が札を書いてくれて「これを彼女に呑ませるように」と言う。セイシンが死んだ場所の近くに洞穴があり、そこが[ジゴク]の入口だった。ヘンリーはセイシンと抱き合うジュリアに必死で札を呑み込ませた。

*脚本家レオ・ハーシェルの話:若い頃、才能溢れる監督のスタンリーと親友だったレオ。多くの時間を共にし、様々な話やチェスを楽しんだ。しかし素性不明の美女ニーナが出現、スタンリーは彼女と過ごすようになり疎遠に。ある日久々に連絡があり家を訪ねてみたが、彼は撮影に出掛けたと言う。初めてニーナと2人きりになると、親友の恋人なのに彼女を抱き、数ヶ月その身体に溺れた。するとスタンリーから「もう戻らない」との手紙が届く。ニーナが自分との関係を伝えたらしく、やがて彼女も姿を消した。時は流れて、スタンリーの訃報が届く。彼はあるフィルムをレオだけに見せるようにとの遺言を残していた。若い頃にレオとニーナを2人きりにしたのは彼の策略だった。自分が喰い尽くされると思ったためだと語るスタンリー。彼は古い時代の肖像画の中にニーナとよく似た姿を幾つか見付けていた。続いて1900年以前にチェコで撮影されたと言うモノクロの映像が流れる。そこには自分が知っているそのままの姿で、人の血を吸うニーナが映っていた。

*劇場作品選定担当ナタリー・フランジュの話:彼女は「自分と双子の弟のこと」と前置きして話し始める。彼女の一家はワイン工場を営んでいた。父はとてもハンサムで女にモテて、母の妹とも関係を持っていた。そんな中、母がナタリーを妊娠。同時にサナダムシが寄生している事も判明する。しかし虫下しで多量の鉄分を摂取すると流産の恐れがあるため、このまま胎児と一緒に育てるしかない。お陰で、母の胎内でナタリーは常に飢えていた。自分も虫も逃げ場はなく、親友であり双子であった。ナタリーが2歳の時に、父は母の親友と家を出る。母が精神的に壊れた後は父に引き取られるが、継母はナタリーを気に入らなかった。彼女が飢えた自分と虫のために、家のあちこちに食べ物を隠すためだ。継母と対立したナタリーは「彼女を殺してくれない?」と呟く。すると壁の中から虫が現れ、継母の下腹部から侵入して体内を食い散らかした。手術をするとお腹の中は小さな穴だらけで、義母は何も食べられなくなった。

*案内人は彼らの話に満足する。それぞれが犠牲者である事が素晴らしい。しかし、どの話にも[結末]が欠けている。フィービーは現在の恋人で、今も隣に居る脚本家のアンディをその乳房で噛み殺し死刑になった。ジュリアは地獄から戻ったが既に魔物と化しており、ヘンリーを殺害。レオは拳銃で自殺。ナタリーは父と義母を毒殺して、死体の隣で菓子を貪っていた。その後、刑務所で手首を切って自殺。

*案内人の語る[結末]では、それぞれ既に死んでいる事になる。困惑していると今まで開かなかったドアが開き、6人は外へ出ようとする。暗い通路を抜けて辿り着いた扉を開けると、そこには自分達が立っていた。この館に入ったばかりの、声がした暗い部屋を覗きこんでいる姿。彼らはここから絶対に出られないのだと悟る。実は案内人こそデズモンド監督だった。彼は1人で屋敷を出ると、誰も居ない撮影所の中を帰っていく。

 

■雑感・メモ等

*映画『デス・ルーム』

*動画配信サービスにて鑑賞

*オムニバス映画らしいと言う情報とあらすじとで、短いお話が7つ入っているのかな気楽に見られそうだなと思って鑑賞。でも1人は案内人、カップルは2人で1つのお話なので4つしか入ってない。故に思っていたよりも各話が長め。特に気に入った話はなかった。

*4話目のナタリーは「エジプト劇場で作品選定をしている」と言う設定なので微妙な気もするけど、一応[業界人]と言う枠に入る模様。そうなるとヘンリー&ジュリアだけ一般人。2話目は舞台も日本で、一部がイラストで表現されたりもして異質な感じ。(石橋凌・杉本彩等も出演。)

*フィービーの台詞「私、第二のヘザー・グラハムになると言われたの。キュートで好かれるタイプね。でもそんな役は滅多にないからサラ・ミシェル・ゲラーに変更し、アリシア・シルバーストーンからミーナ・スヴァーリに」て言うのは面白かった。

*レオの話に出てくる『殺し屋は放たれた』『土曜日正午に襲え』、ナタリーが組んだ特集上映『血塗られた墓標』『モデル連続殺人!』は実在するタイトル。(レオの話に出てくる『The Strangler』と言う作品のポスターは、彼の作品『絞殺魔』のもの。)ヘンリー&ジュリアだけは映画の話が出てこないからやっぱりちょっと違和感。

*4つのお話に唯一共通するのはどれもセックスする場面がある事。お話はそうでもないけど、パッケージ画像からすると一応エロ寄りホラーと言う位置付けなのか。1話目から乳首のお話だし2話目でもオッパイが出るけど、3話目・4話目はオッパイNGだったのか映らない。

*3話目のニーナは何者なのかな。インキュバスかと思ったけど、スタンリーのフィルムの中で「永遠の若さを保つため恋人の血を吸った」と言う説明があったから吸血鬼?レオは血を吸われてはいないみたいに見えたけどどうなのか。(最後のあれは偶然撮影されたものではなく、作品としての演技?)あと途中でスタンリーが「上映時間が24時間の映画を作る」とか言ってたから、最後にそれを見せられるのかと思った。