引き継いだバトン | M3遣いのブログ

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ライカではなく、BMWのほうです(^^ゞ
日々想うことをまったりと・・・

毎日暑い日が続いています。皆様いかがお過ごしですか。



ここ2週間ほどは、戻り梅雨とも言われるほど不安定な天候が続き、急な雨に降られることも多い。



愛車M4にとっても、クルマをできるだけ綺麗に保ちたい僕にも酷暑とにわか雨は苛酷な日々です。



先日、日中の暑さを避けて夜9時頃から行きつけのスタンドで洗車をしました。



夜の洗車は、白いLED照明によってボディの小キズがすごく目立つので嫌いです。



見なかったことにして無理やりスルーするか、ボディ全部クリーナー掛けて磨くか、僕には極端な2択しかない。



その日はスルーできずに、4時間かけて全部磨きました。



金曜日の夜です。けっこう洗車する人は多いのかなと思ったけど、洗車スペースはガラガラ。



こんなものなのかな、明日にわか雨の予報が出ているからかな。



そんなことを考えながら黙々とボディを磨いていたら、22:30を過ぎたあたりから急に洗車スペースが混み始めました。



そして、空いていた僕のM4の隣に入ってきたのは、鮮やかなメタリックブルーのPEUGEOT(プジョー)307CC。



2ドア4シーターのカブリオレ(オープントップ)で、屋根はハードトップの電動格納。



エンジンは確か2リッター直列4気筒のFFだったよな、と頭の中でおさらいしながら、ドライバーさんに失礼にならないよう注意しながらも、珍しい307CCが気になってしょうがない。



ドライバーさんは40歳代と思しき男性で、とても丁寧に車を洗っています。



ボディの水滴の拭き取りが終わった後、男性はボタンを操作して全自動で屋根を開けました。



オープンカーの屋根が開くのを眺めるのはとてもワクワクします。



まず、トランクが逆向きに開き、リアウインドウと屋根部分がZ型に折れ曲がりながら、トランク部分に格納されてゆく。



なんか、トランスフォームしてるみたいでカッコいい。



しかも、あれだけ大きなパーツを格納してもなお、一定容量のリアトランクが確保してあるのだから、設計した人は天才だと思う。



カブリオレモデルは、下半分でボディ剛性を確保しなければいけないので、派生モデル(BMWだと、330Ciと、330iカブリオレなど)だと重量が嵩んで乗り味も変わってきます。



前述のBMW330i(E46)の場合だと、クーペの1,520kgに対してカブリオレは1,680kgと、160kgも重くなり、もし乗り比べたら全く別のクルマに感じるだろう。



しかしプジョーの307CCは、1,490kg(ベースの5ドアは1,200kg台だけど💦)と比較的軽量を保っていて、140馬力(トルク20.4kgm)のエンジンでも、十分に楽しめるだろうと思いました。



いや、待てよ・・あの頃(2010年くらい)のプジョー/シトロエングループの内製4速オートマは、変速制御が雑でショックが大きく、おまけに日本の高温多湿環境ではすぐにATF(オートマティックフルード:変速機の潤滑油)が沸いてしまって、故障が頻発していた悪評高いAT搭載車種だったよな・・



と頭の中で勝手に妄想しまくっていたところ、屋根をフルオープンにして内装の全貌が明らかになったお隣さんの307CCは、シートがブラウンのフルレザー、しかも左ハンドルでおまけに5速マニュアルということが一瞬で判明したのでした。



僕のM4と同じ希少な左マニュアル車と知って余計に親近感がわく。



ドライバーさんの洗車の仕方もとても丁寧で、車に深い愛着を持ってあることが伝わってくるようでした。



それでも僕は、一旦全部磨くと決めた以上、途中でやめるわけにはいかないので、黙々とボディの磨きと拭き取りを繰り返す。



そろそろ日付も変わろうかという頃、307CCの男性が僕に話しかけてきてくれました。



男性「あの、これ、良かったら使ってもらえませんか?」


と差し出されたのは、マジックハンド。


全長90cmくらいで、手元のトリガーを握ると、先端のグリップ(滑り止め付き)が開いたり閉じたりして、狭い隙間に落ちてしまったモノなどを取るときに便利な生活グッズです。



僕は、男性がなぜそれを僕に渡そうとしてくれるのかすぐに理解しました。



左ハンドル車の一番の不便、というかこのことくらいしか思い浮かばないけれど・・は、コインパーキングや料金所など、チケットやお金のやり取りが必要な場合、ほぼ右側なので、いったん車を降りて取りに行かなければならない。



マジックハンドを車内に置いていれば、少なくとも機械から吐き出されたチケットを、車を降りずにマジックハンドで掴んで引き抜くことが可能です。



でも、なぜこのタイミングで僕に?



訝しげな僕に、男性は話を続けました。



「実は、この車を明日手放すことになったんです。最後だから、せめて綺麗に洗車して見送ってやろうと思って。」



僕「そうだったんですね、いいクルマですよね、307CC。しかもマニュアルだし。運転楽しいでしょうね。」



彼「ええ、10年以上乗りました。でも、訳あって今回買い替えることにしたんです。会社の後輩に、『このクルマ、ただであげるから乗らんか?』って声かけたんですけど、左マニュアルなんて怖くて乗れないって、断られてしまって・・」



「心の叫び(タダやったら俺にくれ〜) そ、そうだったんですね。左マニュアルは確かに敬遠されますけど、すぐ慣れるし運転しやすいんですけどね。」



「はい、そのとおりですね。乗らずに敬遠するのはもったいないです。」と意気投合。



僕「ちなみに、次はどんな車に乗られるんですか?」



「はい、日産のディーラーさんと縁があってスカイラインに。」



僕は、それ以上次の車のことを聞くのをやめました。



だって、現行スカイラインだとしても、それより前のモデルだとしても、目の前の307CCより運転が楽しいだろうとはぜんぜん思えなかったから。



僕は、マジックハンドをありがたく受け取り、洗車を終えてスタンドを出て行く彼と、今日が最後となる彼の相棒307CCを見送りました。



いただいたマジックハンドは、後席に置いていつでも使えるようにしています。



できれば最初に使うのは、大切な人と海へドライブに行った時がいいな。



いや待てよ。助手席に誰か乗ってたら、そもそもマジックハンドは要らないんだった💦




巷では3連休らしいですが、昨日も今日も何処へも出かけていません。休日は、というか仕事以外はほぼ引きこもり状態です。



せめて太陽の光くらいは浴びないと体に悪いかな。