前回からの続きです。
★運転モード切替
運転モードはおなじみの3段階(Efficient・Sport・Sport+)用意されていて、Sport+モードにすると変速タイミングも同じギアで上まで引っ張ってくれる。
ただし、自動的に電制パワステも重くなるので、自分としてはステアだけもう少し軽くしたい感じ。もしかしたらiDriveをいじれば個別に設定できるのかもしれないけど確認はできず。
★『曲がる』
車線変更やRのきついコーナーでの挙動はフラットで姿勢変化が少なく安心感は絶大。
高速域でピタッと路面に吸い付くように駆け抜けていく感覚はBMWの面目躍如といったところ。
このあたりの感覚は、1Mクーペで感じていた若干バタバタする感じとは、はっきりと違いがあると感じます。ホイールベース(前後)がM4より100mm以上短いのに、トレッド(左右)はほぼ同じという恩恵かな。
ステアリングの握りの径は1Mと比較すると気持ち太く、また表皮の材質も微妙に違うスベスベした感触で、僕は1Mのほうが好みです。
★乗り心地
直線でもコーナーでも、路面の微妙な凹凸を拾う感じは、ある程度鷹揚に受け止めドライバーには不快感を感じさせないM3・M4とは明らかに差があります。
ステアやフロアを通じて路面の情報をドライバーに忠実に伝えること以上に拾ってくるゴツゴツ感は、サスやダンパーの設定&タイヤによるものなのか、ショートホイールベースのせいなのかは分からず。
★『ブレーキ』
ブレーキに関しては、右ハンドルによるネガを明確に感じることもなく、強力に制動力が立ち上がってくる。踏み始めの遊びが若干少ないように感じましたが、慣れればたぶんスムーズに止まれます。
でも、コスト要件が厳しい中、このM2に上位モデル(M3&M4)と全く同じブレーキシステムを採用するのはすごいと思います。
★総評
M2クーペ(F87)
今回の試乗は、今は右しか設定がないM2に、もし左MTが日本に正規導入されたら乗りたいと思うか?という前提で真剣に試乗しました。
答えは・・・とりあえず見送りです。
その理由は、1Mと比較した時のエンジンの洗練度がもう一歩と感じることと、1,580kgという重量が挙動に与える影響が、せっかくの運転の楽しさを明らかに阻害していると感じるから。
ネット上では、M2GTSまたはM2CS(クラブスポーツ)のような特別バージョンの噂もちらほら。
それが現実のものとなって、エンジンがM社謹製のS型(ツインターボ)が載り、1M(1,495kg)と同等の軽量化を実現させて登場すれば、きっと心穏やかではいられないだろう。
しかし、そうなると価格は限りなくM3・M4に近づいてしまってモデル間の差別化が難しくなるのは必定(ひつじょう)。
雨上がりの土曜日の午後、妄想は果てしなく続くのでした。
追伸
バルコムBMWさん、貴重な試乗の機会をありがとうございました。