愛車遍歴(その20)BMW_1M Coupé(7) | M3遣いのブログ

M3遣いのブログ

ライカではなく、BMWのほうです(^^ゞ
日々想うことをまったりと・・・

次に、動力性能について。

動力性能は、さきに挙げた極低回転域でのトルクの細さを除けば文句のつけようがありません。7,000rpmのリミットまで一気に吹け上がるN54B30A直6ツインターボエンジンと、M3譲りの強固な足回りに加え、前後ほぼ同じの重量配分(前51.7:後48.3)、1,500kgを切る軽量ボディは、まさに運転を楽しむにあたって無敵と言っても過言ではありません。

この基本性能に、Mモデルのみに許された迫力の4本出しマフラーから奏でられる迫力のエキゾーストノート(排気音)が加わるわけなので、たとえ用向きが短距離短時間の買い物などであっても運転のたびにテンションが上がります。

旋回については、M3よりもホイールベースが短いことを如実に感じさせ、ステアを切るほどに深く回り込んでいく感じです。

M3は高速度のままコーナーに入ると自動的にステアが重くなって、微舵を当てるのに苦労しましたが、1Mは修正も容易なのでRのきついコーナーが連続するような区間でも楽々。また、2速の守備範囲が広いので、ほとんどのシチュエーションで2・3速のみでカバーできてしまいます。

唯一、気をつけるとすれば、トルクが出ない1,000回転以下に落とさないように走ること。これをクリアできるなら、同じ区間をE46_M3、E92_M3、1Mで乗り比べてみても、上りも下りも1Mが最速になると思います。(あくまでも僕が運転した場合)

続いて、足回りについて。

サスペンション関連は、E92_M3から多くのパーツが流用されているし、ホイールもタイヤサイズも、純正タイヤの銘柄(ミシュランPilot Sport PS2)までM3と一緒なので、感覚的な違和感はないです。

しかし、路面当たりの感触はM3と同様硬めで、凹凸の多い古い舗装路などではゴツゴツとした突き上げが間断なく続き、お世辞にも快適とは言い難い。

また高速度域ではBMWの真骨頂でもある、高速になればなるほど路面に吸い付くような安定感は、M3に比べると薄く感じます。

僕が考えるその理由は、ホイールベースがM3より101mmも短いことと、全高はほぼ変わらないけれど、ボディサイズがひと回り小さいため相対的に腰高(重心が高い)になっていることが影響しているのではないかと思います。

最後に、ブレーキ性能について。

M3と同一のブレーキシステム(パッドはDIXCELのMタイプを蜜柑号から1Mに移植しました)が、より軽量(M3比マイナス135kg)の1Mにとって不足であるはずがない、と思います。タッチも素晴らしく、M3でわずかに感じていたレスポンス遅れも1Mでは感じることはありません。

あまりにも気持ちよく止まってくれるので、他の車を運転したとき、つい同じ感覚でブレーキを踏み始めてしまい、なかなか止まらずにあわてることも。気をつけなければ。

総評です。

1Mは、現在日本で乗ることができる4座のマニュアル車の中では、運転を楽しむために乗るクルマとして最強だと思います。

‘4座の’とわざわざ付け加えた理由は、同クラスで2座ならば、ポルシェのボクスター&ケイマン、ロータスエリーゼ、アルファロメオの4Cなどがライバルとして挙げられるから。

2座のクルマは、乗車定員や積載性を犠牲にして、走行性能を最優先させている。4人が普通に乗れて荷物も積め、日常使用にも十分耐えうる汎用性を保つクルマとして、1Mを超えるクルマを僕は思い浮かべることができない。

日産ファンの方は、「GT-Rがあるじゃん!」って思うかもしれないけど、そもそも価格帯が違うし、AT限定免許で乗れる2ペダルのGT-Rは論外ということで。

年式が比較的新しめで「左マニュアル」という超ニッチな条件を満たす希少なクルマとして、この1Mクーペは検討に値する車です。特に、マニュアルには乗りたいけれど「左」ということで敬遠している方がいたら、まずは一度乗ってみてください。以前にも同じことを書きましたが、きっと新たな世界が開けるはずです。

以上、1Mの所有インプレッションをお届けしました。今のところ雪豹号(1M)にゾッコンなので、かなり偏った評価になっているかもしれませんが・・・

今後さらに、雪豹号との親密な時間を重ね、お互いの距離を縮めていく中でまた新たな発見があるかもしれません。その時はまた、このブログで報告したいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。