愛車遍歴(その20)BMW_1M Coupé(6) | M3遣いのブログ

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ライカではなく、BMWのほうです(^^ゞ
日々想うことをまったりと・・・

足掛け4ヶ月近くに及ぶ雪豹号紹介もいよいよ大詰めとなりました。

これからは、通常の試乗記と同様のスタイルで雪豹号の評価をしてみたいと思います。

よく、試乗記などに「インプレ」という言葉を使いますが、まさにimpression(印象)であり、筆者である僕自身の主観で書いた文章になりますので、そこはご承知置きください。

それではまず、運転環境から。

シートは手動ではあるものの最廉価グレードだからという手抜きは一切なく、ステアリングのチルト&テレスコも含め調整範囲は広い。身長150cmの人でも問題なく運転できるはず。特にありがたいのは、座面の調整が高さと傾きを別々に調整できること。

マニュアル車では、クラッチ操作が快適に行えるかどうかは運転を楽しむ要素として、とても重要です。シートの高さだけでなく傾き(座面後傾角)も適切に調整することで、自分の膝下の長さや角度、好みに合わせた設定が可能。

逆に言えば、これらの設定がうまくできない車(MTに限らずATでも)は、意に沿わない姿勢や動作を強いられていることに他ならない。マニュアル車に乗りたいと言っても、運転を楽しむまでのハードルは高い。

閑話休題。

国産車に限らず右ハンドルの車は、足元のペダルレイアウトが左ハンドル車に比べて設計上の制約があります。理由は、右前輪のタイヤハウスが足元に張り出しているから。

なので、MT・ATに限らず相対的にアクセルペダルはどうしても中央に寄ってしまうし、3ペダルのMTはペダル間の間隔を左に比べて狭くせざるを得ない。

そのオフセット(偏り)がほんの数センチであっても、長時間&毎日の運転では体への負担がじわじわと蓄積され、結果的に運転の楽しさをスポイルしてしまうことにつながってしまいます。

マツダの現行型ロードスターは、そのオフセットを解消するため、設計上ドライバーの着座位置を後ろにずらすことで解決しようとしました。

テレビCMや広告でも、「右足を自然に伸ばした先にペダルがある」ということを強調して、運転の楽しさをアピール(キャッチフレーズは、『Be a Driver』)している。

しかし、着座位置を下げるということは、旋回した時の感覚も変わるということ。BMWがオニのようにこだわる前後重量配分の均等化は、物体としての旋回特性のみならず、旋回中のドライバーの感覚にもこだわっているからに他ならない。

マツダが着座位置の変更によるネガと、ペダル位置の適正化を天秤にかけた結果だとは思うけど、僕はちょっと疑問に感じます。

本題に戻ります。

1MのクラッチそのものはM3と同様に軽めで、ストロークは長く、完全に切るには奥まできちんと踏み切らないといけないので、基本に忠実な操作を要求されます。半クラッチの加減も調節しやすく、パワーの微妙な出し入れも容易。渋滞や坂道も苦にならず、多くの人が苦手だという坂道発進でもサイドブレーキが必要ないくらいです。また、シフトのストロークは短めで、小気味良く正確に入ります。

余談ですが、同じBMWが造っているクルマでも、MINIのマニュアル車は僕は全くダメです。MINIのクラッチは、手前から奥に踏み込むBMW車と違い、上から下に踏み下ろすタイプ。シフトチェンジのたびに意識して左足を持ち上げなくてはならず、好みの問題とは思いますが、僕はとても運転しづらいと感じました。

ステアリングは、電子制御が入っていて妙な違和感があったE92_M3と違ってE46_M3と同じ油圧式。E46によく似た「重すぎず軽すぎない」いい塩梅で、とても運転がしやすいです。中立はどっしりとしていて直進でも軽く手を添えておくだけでいい。握りの径も、E92よりも気持ち細めで、手が大きくはない僕にはとても握りやすいです。

運転環境でただひとつ難点を挙げるとしたら、メーターパネルのカバー(透明)の角度のせいなのか、角度によっては外光を反射してしまって昼間とても見づらいこと。小さなところにも気配りを忘れないBMWにしては、とても珍しい瑕疵だと思います。

続きは次回に。