車を替えるきっかけというのは、明確な理由(故障や事故、車検を機にとか、新型が出たとか)があるときもあれば、そうでないときもある。
今回も、‘なう’で行動しているときは、まさか本当に車を買い替えることに繋がるなんて思いもしなかった。
まず、現在の状況を。
蜜柑号は、もう僕のもとにはいません。今頃は、誰かの家のガレージで大切にされている・・はず。
そして、「その20」で書くべきクルマは、5月下旬の納車に備えて、遠く離れた場所で必要な手続きや点検整備の真っ最中。
誰に伝えるためでもなく、僕自身のクルマ人生の足跡をしっかり残しておくために、経緯(いきさつ)をきちんと書いておこうと思います。
それは、3月下旬のとある週末のことだった。
日頃から中古車情報のチェックを‘趣味’のようにやっている僕は、その日もネットで条件(左ハンドルorマニュアル)を入れて中古車を検索していました。
その日検索で引っ掛かってきたのは、BMW_M235iの限定車(M Performance Edition)の6速マニュアル(右ハンドル)。
何とお店は同じ福岡県内のBMW正規ディーラー。今からでも見に行ける距離じゃん!
このクルマは、全国限定30台(うちMTは15台)という希少モデルで、発表当時見積もりまで取って買う寸前までいった車。(「クルマ、買った・・・のか?」参照)
当時はもちろん発売前の新車だから試乗できなかったけど、中古で出てるということは試乗できるかも!
・・という邪(よこしま)な気持ちを秘めつつ、その日のうちにお店に連絡して蜜柑号に乗ってクルマを見に行ったのでした。
現車は状態も良く、聞けばディーラーの社員さんが自分で乗っていたとのこと。年式の割に距離が伸びているのは、営業で使っていたからなのかな。
M235iは、以前8速AT車には試乗したことがあり、とても良い印象(「M235i 試乗記」参照)を持っているけれど、ぜひマニュアル車の感触も確かめたい。特にペダルレイアウトの瑕疵の具合(右仕様にしてどのくらい窮屈になっているか)を実際に動かしてみて確認したい。
さっそく試乗を申し込むと、営業さんはなぜか渋い顔。
「あまり距離を伸ばしたくないんで、どうしても試乗されたいのでしたら、買うという前提でお願いします」
内心「それって、試乗とは言わないんじゃ・・」と思ったけど、「乗ってみて、いいと思ったらもちろん買いますよ」とは言ったものの、お店の人はまだ「どうぞ」とは言ってくれない。
仕方がないので、「下取りをお考えでしたら、M3(※蜜柑号)の査定を出させてください」という依頼を断れず、「査定が出たら試乗できるかな」と軽く考えしばしお店の中でコーヒーを飲んで待つ。
待つこと10分。
「お待たせしました。査定のほうですが・・」
(ドキドキ)
「コンペティションでマニュアルという、かなり特殊なグレードなんで、査定のほうは今日は出せません。2・3日かかると思いますので、電話で連絡させてもらってよろしいでしょうか。」
(ガックリ)
結局その日は、試乗せずにトボトボと帰りました。
数日後、電話で査定結果を知らされる。M235i限定車の乗り出し価格(諸経費込価格)とほぼ同額とのこと。つまり、追加負担なしで車を入れ替えられるという。
でも、蜜柑号のローンはあと8年以上残っていて、その残債の額はM235i中古車の価値に見合ったものでは当然ない。
いわば、「転職貧乏」のようなもので、追い銭なしという甘い誘惑に惑わされてはいけないと煩悩を振り切り、「購入はしません」という返事をしました。もちろん、試乗はせず。
続きは次回に。