M2は出たけれど・・・ | M3遣いのブログ

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ライカではなく、BMWのほうです(^^ゞ
日々想うことをまったりと・・・

かねてからアナウンスされていたBMW M2クーペ(F22)がようやく日本でのデリバリーを開始。


大きすぎないコンパクトなスポーツモデルを熱望していた僕にとっては、待ちに待ったM2。


さっそくディーラーからカタログを取り寄せ検分する。


BMW M2クーペ


のっけからちょっとテンションが低いのは、日本仕様がRHD(右ハンドル)の7速DCT(オートマ)一択しかラインナップされないことがネットの情報などであらかじめわかっていたから。



とはいえ、2シリーズのフラッグシップであるM235iとスペックを比較すると、


最大出力326PS ⇒ 370PS
最大トルク45.9kgm ⇒ 47.4kgm(オーバーブースト時51.0kgm)
0-100km/h加速 4.8秒 ⇒ 4.3秒


と、Mの名に恥じない立派な数値。


動力性能は、メルセデスのA45AMG(381PS)や、アウディのRS3(367PS)あたりを強く意識していることを窺わせる。


しかも、最大出力をM235iが5,800rpmで発生するのに対し、M2は6,500rpmまで引っ張れる。最大トルクも、M2がピークトルクを5,560rpmまで維持するのに対しM235iは4,500rpmまで。


同じ直列6気筒のシングルターボ(ツインスクロール)でも、より高回転まで吹け上がるエンジンに仕上げられている。


また、ボディサイズは全長・全高はM235iとほぼ変わらないのに、全幅は1775mmから1855mmと80mmもワイド化。


この全幅は、蜜柑号(E92_M3)の1805mmと比較しても50mm(!)もデカい。


カタログの投影図(真上)からは、前後のフェンダー部分が大きくゆるやかに膨らんでいて、ボディ中央のドア部分がギュッと絞られているのがわかるので、実車を見ればよりワイド&ローが強調されたスパルタンな印象に違いない。早く実車が見てみたい。


タイヤサイズも、
フロント:245/35R19(9.0J)
リア:265/35R19(10.0J)
と、蜜柑号E92_M3Competitionと全く一緒で、強大なパワーを余すところなく路面に伝えてくれるだろう。


ちなみに車両重量は、M235iの1,570kg(8AT)に対し1,580kg(7DCT)と10kgの微増。前後重量配分も含め、体感できる違いはほぼないだろうと思う。


気になる車両本体価格は、7,700,000円(税込)。


M235iが6,270,000円(8AT)なので、1,430,000円(23%)高のプライスは、微妙なところ。Mバッジのステータスと考えるべきなのか。


・・・


カタログをめくっていて、主要諸元のページで手が止まる。


ん?


目が止まったのは、エンジン型式の欄。


「N55B30A」


目をこすってもう一度見る。


最初のアルファベットは、間違いなく N 。


つまり、M2に搭載されているエンジンは、BMW M GmbH謹製ではないということ。


M社で組み上げられたエンジンには、型式名の頭に必ずアルファベットのSが記される。蜜柑号はS65B40A(V8)、その前のE46_M3はS54B32(直6)。


M2の心臓部は、M235iのBMW汎用エンジンをリファインしてDME(コンピュータ)チューンを施した、疑似Mエンジンだった。


エンジンのヘッドカバーに、「POWERED BY M」とこれみよがしのエンブレムが貼られているのがさらに悲しい・・・もちろん、チューニングに関してMが監修しているのは間違いないだろうけど。


右ハンドルのDCT一択しかないのに加えて、このことでさらにテンションは下がる。


僕がこのクルマにネーミングするなら、M2ではなくM240iと名付けます。


以前のブログで、「一人でも多くの人に真のMモデルを味わってほしい」と書きました。(「愛車遍歴(その18)BMW_M3(10-2)」 参照)


しかしM2は、Mの皮を被った別物(プチM)です。たとえ、スペックで旧M3を上回っていても。シャーシやサスペンションなどで高価な部材を使っていたとしても。


M2を、M社謹製の真のMモデルだと思ってはいけない。これからのBMWの行く末を案じます。