ディーラーさんに作業入庫の際に、BMW2シリーズの新ラインナップ、アクティブツアラー(5人乗り)に試乗する機会を得ましたので、レポートしてみたいと思います。
試乗した個体は、218dという、エンジンバリエーションが3種類あるうち唯一のクリーンディーゼルモデル。
ガソリンエンジンの218iと比較すると、218iが1,500cc直列3気筒(136馬力/22.4kgm)なのに対し、218dは2,000cc直列4気筒(150馬力/33.7kgm)で、馬力は+10%、トルクに至っては、218i比+50%と、モデルナンバーは同じ218でも、スペック的には大きな開きがある。
閑話休題。
馬力とトルクについて。
ポルシェの911カレラ(996)から、最近ジャガーFタイプクーペSにお乗換えになった僕の後輩。
僕と同じように、クルマ好きには違いないけど、メカニズムや車の仕組みには全く興味がない。要するに、ネームバリューとデザインと馬力だけで車をお選びになるタイプ。
この前、「馬力とか、トルクとか言われても、良く解んないんですよねー。要するに、数値が大きければ大きいほど速いってことですよね?」と聞かれたので、こんなふうに説明してみました。
馬力とトルクを、モーター(動力)の回転軸の運動に例えると、馬力は、回転のスピード。馬力が大きいほど速く回すことができ、すなわち最高速が高くなるということ。
トルクは、回転するときの力強さ。いくら速く回せても、指でつまんだら(負荷をかけたら)すぐに止まるようでは、お話にならない。
つまり、トルクが太ければ、例えば傾斜が急な上り坂とかでも回転数に関わらずクルマをしっかりと前に進めてくれるということ。
彼は、あまり興味なさそうに聞いていたけど、ちゃんと理解してくれたかなあ。
話を戻します。
ガソリン仕様の218iと、ディーゼルの218dには、もうひとつ大きな違いがある。それは、トランスミッションが6段ATか、8段ATかということ。説明するまでもなく、8速の218dのほうがエンジンパワーを効率よく使って燃費も良くなるのは自明の理。
実際、カタログ燃費(JC08モード)でも、16.8km/l(218i)と22.2km/l(218d)と、+30%もの開きが出ている。
さて、カタログ上の講釈はこれくらいにして、肝心の試乗レポートに移ります。梅雨末期の比較的強い雨の中、さっそく乗り込んで運転環境を検分。
まずはシートの座面高の高さにビックリ。SUV(BMW流に言えばSAV)のXシリーズは別として、乗用車タイプでこの高さとは。乗降性は快適で、腰をかがめることなく楽に乗り込める。
乗ってみるまで、SUVのエントリーモデルであるX1や、ステーションワゴンの320i(ガソリン)・320d(ディーゼル)との差別化をどう図っているのか疑問に思っていたけど、このシートレイアウトから、BMWが狙っているアクティブツアラーのターゲットが、小さい子どものいる若いファミリー層や、奥様が乗るセカンドカーという意図が見て取れる。
シートの調整はすべて手動だけど、ステアリングのチルト(上下)・テレスコ(前後)と併せてポジションはすぐに決まる。足元のペダルレイアウトも自然で問題ない。
エンジンの始動はもちろんキーレスでプッシュスタート。小さな始動音はするけど、ディーゼル特有の「カラカラ音」はあまり気にならない。電気式のパーキングブレーキを解除して、市街地へ乗り出す。
雨のせいか交通量が多く、踏み込むタイミングがなかなかつかめない。市街地でやや遅めの車の流れに乗っている限りでは、遮音性や耐振対策については特に問題ない。
また、発進加速や40km/h程度からの中間加速、8速トルコンATの所作は及第点以上をつけたい。何せ1,500kgの車体に対して、トルクが33.7kgmもある。この数値は、僕が以前乗っていたE46_M3にも迫ろうかという、このクラスの車としては特筆すべき頼もしい力強さ。
このパワーなら、例えば両親と子ども3人のフル乗車時でも、加速に不満を感じたり、山間部の高速で登坂車線に移ったりしなくても大丈夫だろう。
(その2へ続く)
今日の一枚
昨日(2015年7月11日)、蜜柑号の走行距離が10,000kmを超えました。オイル交換も終えて、エンジンもますます快調です。
これからも、どうぞよろしくお願いします。