M4(F82)試乗記(その2) | M3遣いのブログ

M3遣いのブログ

ライカではなく、BMWのほうです(^^ゞ
日々想うことをまったりと・・・

昨日に引き続き、M4試乗記です。ここからは、要素ごとにコメントしてみます。


・加速(エンジン系)と変速


エンジンは、S55B30A型の直6・3,000ccツインターボ。最高出力・トルク431PS/56.1kgmで、0-100km加速はDCT仕様でなんと4.1秒(ちなみに6速MTは4.3秒)。自分の中では、3秒台以下はスポーツカーではなくスーパーカーと思っているから、M4もスペック的にはほぼスーパーカーの部類に入りそう。


でも、普段の運転感覚はほぼ乗用車と言っていい。アクセル(スロットル)は当然フライバイワイヤ(電子制御)で、コンソールのボタンでEfficient(いわゆるエコ)⇒Sport⇒Sport+の3段階に切換可能。加えて、ステアリングも電制で同様の3段階切換がある。


7速DCTの変速は電光石火だが、低速(街乗りでの停止状態からの緩い発進)ではわずかに変速ショックを感じる。先日試乗した、M235iの8速AT(CVTかと思うほどの滑らかな変速)と比較すると、明らかな違い。BMWが現行3・4シリーズの上位モデルにDCTを搭載せず、すべて8速ATとした理由は、これかもしれない。


パドルでのマニュアル操作も、M235iと同様、全く問題ない。ただし、トルコンATと比較すると若干の変速ショックが気になるのはどうしても否めない。最近のATはロックアップ付でDCTにも勝るとも劣らない。


加速フィールは、M3遣いの自分としては文句のつけようがない。同じ直6・3,000ccターボのM235i(326PS)では感じることができなかった、「暴力的な加速G」を堪能できる。さっき、「遮音性が高い」と書いたけど、5,000回転を超えると、「グワーッ」というエンジンの重く低い咆哮が体全体を包み込む。


さすがBMW。普段使いではファミリーカーとしても使える扱いやすさを持たせながら、「踏みたいヤツは、踏んでみろ!」とばかりに、高回転域でクルマの性格が豹変する。まさに、羊の皮を被った狼。


試乗車なので6,500回転までで遠慮したけど、パワーの頭打ちは感じなかった。ま、日本で431PSを使い切るには、サーキットしかないので、あまり気にすることはなさそう。


7速で100km/h巡航時の回転数はおよそ1,800rpm。E46が6速で2,300rpm程度だから、M4は燃費にも一定配慮したハイギアード設定になっている。


また、デフォルトでエンジンオートストップ・リスタート機能が働いて、止まるとエンジンも停止。遮音が優秀なせいで、リスタートしてもほとんどわからない。交差点で停止しているとき、ステアを回そうとしたら石のように重くて、一瞬あれっと思ったけど、エンジンが止まっているから当然。思わず苦笑い。



・操舵系と足回り


ステアフィールは、自分としてはちょっと違和感がある。電制で、レーンデパーチャーワーニング(車線逸脱警告)付。


中立(直進)付近での落ち着きはどっしりしていて、変に力を入れる必要はないけれど、手に伝わってくる重さが何となく不自然。電子制御によって、わざと重くしているような感覚がある。


ステアの3段階のモード切換は走行中にいろいろ試してみたけれど、素人の自分に特に違いは感じられなかった。おそらく、Sport+とかでは、切れ角をクイックにするなどの変更が行われているのだろうけど、ワインディングに持ち出せばともかく、市街地での限られた試乗ではわからなかった。


高速でのレーンチェンジを何度か試してみた。挙動はフラットで癖がなく、ドライバーのイメージ通りにキビキビと動いてくれる。高速になればなるほど、路面に吸い付くような安定感は昔からのBMWの伝統そのまま。


コーナリングでは、E92で感じた、糸の先の錘をドライバーが追いかけていくような感覚から、ドライバー自身が錘になった感覚(自分を中心に旋回する感覚)に近くなっていて、これは大歓迎。エンジンをV8からストレート6に戻したダウンサイジングの恩恵だろう。


わずらわしかったのは、車線のセンターを外れるたびにステアがブルブルと小さく振動して警告してくれる機能。助手席に座っている営業さんに、カットの仕方を聞けばよかった。高速道路ではありがたいかもしれないけど、市街地ではまず要らない。


足回りは、M3と同じ19インチだが、タイヤサイズがひと回り大きい35扁平。おまけに、しなやかさが特徴のミシュラン(非ランフラット)を履いているので、モードをsport+に変更してもゴツゴツ感は少ない。


もちろん、アスファルトの継ぎ目などの路面不整の処理は、快適な乗り心地を謳う他の高級車と比較するべくもないけど、400PS超のモンスターにしては、十分に快適と言える。おそらく、ワインディングやサーキットでは本領を発揮してくれるはず。


また、試乗車にはHUD(ヘッドアップディスプレイ)が付いていて、フロントガラスのドライバー正面下部にステアスイッチで操作できるさまざまな情報が表示される。


デフォルトではデジタル速度計で、特に運転の妨げにはならず、メーターパネルに視線を落とさなくても速度が確認できるのはありがたい。


2回で終わると思ったけど、もう少し書きたいので、続きはまた。