テレビのニュースを見ていたら、お盆のUターンラッシュ(かえり)を、お決まりのパターンで報じていた。お盆を海外で過ごした人たちの帰国もピークというニュースの中で、アナウンサーの気になるひと言が。
「最近は、ハワイやグァムなど、近場のビーチリゾートが人気です。」
うへっ。ハワイやグァムが“近場”って、みんなどんだけーって。庶民の感覚とはかけ離れているような気がするのは、私だけかしら?
でも、よく考えると、「遠い」「近い」の基準って、人それぞれだよな、って思う。例えば自分の場合、趣味の風景写真を撮りに車で出かけることも多いけど、「今日は近場で」のときは、行先はおおむね県内で、出発はゆっくり、かつ夕方までには帰ってくる感じ。
「遠く」の場合は、できるだけ朝早く出て、帰りは夜遅く。走行距離の目安としては、日帰り500km前後がひとつの目安かなぁ。
ちなみに、趣味の遠出で、宿泊を前提にすることはまずあり得ない。なぜなら、旅先で夜眠れないから。でも、この“縛り”のせいで、どれだけ自分の行動範囲が狭められていることか。後悔を溜めこむ前に、何とかしなければ。
「遠い」「近い」のほかにも、時間の感覚も曖昧。「すぐ」「けっこう」「長い」の境界線はどこだろう。ぱっと思い浮かぶイメージでは、それぞれ、「30分以内」「1時間程度」「2時間以上」ってとこかなあ。
ふだんの何気ない会話で、「時間はどのくらいかかりそう?」「すぐ終わるよ」とか、「けっこうかかりそう」とか、よく使うけど、人によって「すぐ」も「けっこう」も基準が違うから、解釈が難しい。
もちろん仕事の場合なら、そんな曖昧ではお互いに困るから、「あと30分」とか、「午前中いっぱい」とか、できるだけ具体的なやりとりをするけれど、日常までそうなると、一日じゅう分刻みのスケジュールで動いているようで何か味気ない気もする。
「今日はどちらへ?」「ええ、ちょっとそこまで」・・・ご近所さんとの、特段の意味を持たないこんな曖昧な挨拶が、日本人の良さなのかもしれない。よく、外国の人にはわかりづらいと言われるらしいけど。
「どれぐらい?」って聞かれて、いつも返答に困ってしまう。でも、それ以上に相手を困らせてはいけない。そんなことを頭の中であれこれ深く考えながらやり取りをして、会話の最中に自分の沈黙の時間を増やしてしまい、またまた相手を困惑させてしまう私です。