黒木の大藤 | M3遣いのブログ

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ライカではなく、BMWのほうです(^^ゞ
日々想うことをまったりと・・・

福岡県八女市黒木町の、素盞嗚(すさのお)神社の藤の花(通称:黒木の大藤)を見に行ってきました。例年、連休期間中に満開になることが多いが、今年は数日前からすでに満開。地球温暖化の影響か、だんだん満開の時期が早まっているような気がする。


満開といえば桜も同様。以前は、入学式といえば満開の桜の下で、というイメージが強かったけど、とりわけ九州地方では、4月上旬の入学式の時期に桜がまだ咲いていることはほぼあり得ない。そのうち、桜といえば卒業式(3月中旬)というのが当たり前になる時代もそう遠くないのかも。


黒木の大藤も、満開になってからすでに数日経つし、連休前半は雨の予報が出ていたので、これが最後のチャンスかもしれないと、渋滞を覚悟して日曜日の午後から出陣。案の定、高速を降りてしばらく進むと、目的地まで6km強の地点で緩い渋滞につかまる。


「マニュアル車に乗っている」、と他人に話すと、決まって「うわぁ、渋滞とか、大変でしょ?」とくるが、強がりでもなんでもなく、「特に問題ない」。クラッチは強大なパワーを受け止めていると思えないほど軽く素直だし、ミートポイント(クラッチが繋がる位置)も極めて自然で適切。ノロノロ運転でも、低速トルクが太いのでアクセルを踏むことなくクラッチのON・OFFだけでOK。


ペダルレイアウト・シートの造り・ステアリングの位置など、「調整しろ」の大きさも含め何ひとつ問題ない。たぶん、身長150cmの人でも難なく運転できると思う。BMW車の隠れた美点のひとつ。


30分近くの渋滞を抜けてようやく現地に到着。さっそく愛用の一眼を抱えて「大藤まつり」の会場へ。藤の芳しい香りを楽しみたいのに、まず鼻に入ってくるのはタバコの臭いと露店の焼き鳥の香ばしい匂い。焼き鳥にも惹かれるが、ぐっと我慢して藤の大房の下へ。


黒木の大藤


1m以上は優にあろうかという藤の房が、所狭しと競うように下がっている。ミツバチやてんとう虫が甘い蜜を求めて飛び交う。藤の花の香りは、なんともいえず気品があって麗しい。色も大好き。青でも紫でもない、まさに「ふじ色」。広い藤棚に、周囲から何本もの藤の木が枝を伸ばしているが、木によって微妙に花の形や色が異なるのも面白い。


ただし、藤の花を写真に収めようとすると、素人泣かせの花ではある。色数が限られる家庭用のプリンタでは、紙に焼いたときに藤の花の微妙な色彩をきちんと再現できない。私も、なんとか見たままの色に近づけようと毎年試行錯誤しているけど、自分で満足できるプリントを出せたことはまだ一度もない。グラフィック用の高級モニターと、専用のキャリブレーションツール(色を読み取って数値化し、プリントデータと同調させる装置)があれば、もっと正確に再現できるのだけれど。


この地域には、今まで藤の花の時期にしか足を運んだことがないけど、神社のすぐそばには清流(矢部川)が流れていて緑も豊かで、河川敷には遊歩道も整備されており、堰を流れ落ちる矢部川の水音を聞きながら散策するのがとても気持ちいい。まさに、心が洗われる感じがする。歩きながら、白詰草の群生を見つけて四葉のクローバーを探したり、黒アゲハをカメラで追って、動く被写体の撮影テクニックを磨いたり。


シバザクラと黒アゲハ


残念だったのは、とても風情があって今回も渡るのを楽しみにしていた木の橋(南仙橋)が、数年前の集中豪雨で流されてしまっていたこと。長い歴史を刻んだ橋であっても、自然の猛威には勝てない。橋は、土台の柱の一部を残して跡形もなく流され、橋の接続部分に無造作に通行止めのフェンスが並べられていた。


堰の流れの下には、獲物を狙ってたたずむ一羽の鳥。この速い流れの中で、小さな魚を嘴で捕らえるのは容易ではないと思うが、しばらく観察していると目にも止まらぬスピードで川に頭を突っ込み、魚は見えなかったけどそのあと口を動かしていたから狩りは成功したのだろう。生きていくって、人間も鳥も、大変なんだね。

とり


ゆっくりと付近を散策して藤棚に戻ると、夕方の5時を知らせるサイレンが。地元の特産物や食べ物を売っていたお店は大半が店じまいしていたので、残念ながらグルメを楽しむことはできなかったけど、気持ちのよい、穏やかな日曜日の午後を過ごすことができました。さあ、しっかり充電できたので今週もがんばらなくちゃ。