ユーチューブ・チャンネルで配信している人で、政治家の街頭演説の現場に出かけて、演説の様子を撮影したり、少しインタビューしたりして、その様子を動画にまとめて公開してくれている方がいました。

 

紹介文を見ると、この人は民族主義的な考え方を持っている人みたいでした。しかし声を聞く印象では、さわやかで好印象。きびきびした話し方をするし、インタビュアー向きだと感じました。

 

普段だるい話し方をしている人だったら、インタビューの時に、気合を入れて声を張る必要がありますが、普段からきびきび話しているので、急にインタビューの機会が訪れてもすぐに対応できそうです。

 

で、誰の演説を撮影に行ったかというと、内海聡さんの演説で、応援演説をしに、長井秀和さんが来ていました。

 

これを見る限り、内海さんは、あんまり芸達者ではないみたいで、話し慣れてはいて、淀みもつっかえもなかったですが、派手さにかける演説をしている感じでした。(最初の挨拶しか聞かなかったので、後半の本編は違ったかもしれない)

 

長井さんはさすが元芸人さんで華がある感じがしたし、説明は丁寧で、誠実さが感じられました。

 

しかし長井さんが、外国人が日本にやってきて生活保護を不正受給しているという話題を持ち出したので、ああこの人も右派なのだなということを思いました。

 

左派の感覚では、こういう話題を出す人には、げんなりしてしまうのではないかと思います。セーフとアウトの判定をする人がいたら、アウト判定をするでしょう。

 

実際問題は、僕も、近所に外国人の人たちが越してきて、毎日騒いでいるということが起こったら、何とかしてほしいなと思うでしょう。ずっと騒音が聞こえていたら、落ち着かないし、夜に眠れないかもしれません。

 

しかしその人たちが、これまで外国に住んでいて、日本の税金をほとんど払っていないのにも関わらず、意図的に法の抜け穴を狙って日本にやってきて、生活保護を受給している、ということでも、それは専門の部署に任せて、自分しては何も思わないような気がします。これは日本の危機だとは思いません。

 

外国の業者が日本の法の抜け穴を見つけて、希望者を募って仲介手数料を取っているのでも、個人的に研究して自分でうまいやり方を開発したのであっても、日本人に対して還元されるはずのものが外国に横流しになっていると見ることができるので、何とか対処すべきかもしれません。

 

あるいは、きちんと判定して、日本で暮らし、日本で働き、税金を払っていたが病気やケガで働けなくなった人には、生活保護を受給できるようにしてあげた方がいいと思います。

 

しかしそういうことは、専門の部署に任せたいと思うので、要望するなら役所に言うし、街頭演説で取り上げることは考えないと思います。

 

でも、右派のファンタジーの中には、外国人が日本の法の抜け穴を突いてくるとか、日本人でも働かないし社会意識もない人が他の人たちの足を引っ張っているとか、そういうことがすぐ出てきます。

 

そして日本の素晴らしい伝統を取り戻すべきだという話に移っていくんでしょう。

 

左派の感覚からは、現状認識も空想的だし、将来ビジョンも空想的だと感じられます。

 

町人発案の国学よりも、武家の鍛錬の方が、まだ人を現実的にするのではないか、という感じもします。

 

実際に会った人の印象では、神道でも仏教でも、日本の保守派の精神を、少しも変えていないという感じがしました。

 

左派だって偏りがあって、末端労働者や貧困層の苦しみにはすぐ目が行くのに、中小企業の経営者の苦しみにはあまり目を向けないということがあるかもしれません。

 

しかし左派の場合は、意識的な魂を持っている人がいて、そういう人は反省して改めることが可能じゃないかと思います。そうでない人は、自分が巻きこまれて強く思ったことから、なかなか逃れられません。それが単なる一つの認識ではなくて、強烈な体験となっているからです。

 

そういう意味では、外国人の侵略的な行為は、民族の強烈な経験としてかつてあり、それが世代を越えて伝えられてきている、ということかもしれません。

 

外国人は怖いと教えられた人は、やっぱりそうだな外国人は怖いと確認することになり、次いで、次の世代にも、どうだい外国人は怖いだろうと、教えることになるのかもしれません。言い伝えを聞く中で、言い伝えが新しい世代にとっても強烈な経験となり、それが現実として記憶されることになるのかもしれません。