ガルシア=マルケスの「百年の孤独」が文庫化されたみたいです。単行本は結構高かったので、持ってなかったですが、問題はお金だけじゃなくて、読む時間もなので、入手しても読む時間がないかもしれないと思います。

 

実のところ、そんなに気になる内容ではないんですが、マジック・リアリズムはすごいと、たくさんの人が言っているので、どういうものか見てみたくはあります。

 

中上健次さんが影響を受けているという話を聞いたことがあるので、中上健次さんの作品を詠めば、だいたいどういうことなのかわかるのかもしれません。

 

中上さんの本は、1冊読んだことがありますけど、あんまり意味がわからなかったですね。それは、故郷から都会に出てきた青年の話だったのですが、それより前の作品で、故郷の話を読むべきなのかもしれません。

 

もしかしたら、やっていることは、神話みたいな効果を、文体や構成を工夫することで、出すということかもしれないですが、それはそんなに重要なことかなと思います。

 

神話は、あるやり方で世界を見た人がいた時に、観察の成果が神話の構造をとって現れた、ということだと思うので、その形式だけ真似ても意味はないと思います。

 

今から先の人が、何らかの手段で、世界の実相が現れるような観察方法を編み出し、その結果、出てきたものが神話の形式をとっていてもいいし、また別の形式をとっていてもいい、ということだと思います。

 

その場合、形式が重要なのではなくて、世界の実相にどれくらい迫れているかが重要です。

 

文学業界の人が、そうやって世界や人にどれだけ接近できるかを問わずに、文章や作品の形式をあれこれいじって、見たことがない印象を与える形を新たに作り出せないかと模索しているのであれば、そんな営みに価値があるのかな、というふうに思います。

 

素人考え的な見方ですが、そういう基本の考えがあって、ポスト・モダン小説は全部だめなんじゃないか、というふうに今のところ見ています。