デモクラシータイムスで池田さんが、「帝国の慰安婦」という本を紹介する動画を作って出されていましたが、女性解放運動の観点あるいは帝国主義批判の観点から語る内容になるんじゃないでしょうか。見てないので想像ですが。

 

その場合、男性の女性蔑視や差別意識、あるいは国家が人間を虐げる問題が、原因として語られるんじゃないかと思います。

 

「帝国の慰安婦」という本の著者は、朝鮮系の名前の方なのですが、在日の方なのか、どういう方なのか、現時点では僕はわかりません。しかし、朝鮮人の立場に立って日本を批判する本が作りたかったわけではなくて、党派的な対立が持ち込まれて混乱している状況を整理する意図があったようです。

 

日本に恨みを抱いている朝鮮人や、歴史修正主義的な日本人は、考えを変えないかもしれませんが、どちらでもない人は、客観的事実を知って、事実に基づいて反省すべきところは反省し、新たな友好的関係を築いていけないものか、という問題意識があるんじゃないでしょうか。

 

こういう本は高いのかなと思ったら、文庫版で安かったです。しかし網羅的な内容となっていて、分厚い本にはなっているようです。儲けを出すことよりも広めたいという発想で、安くしているのかもしれません。

 

僕は、差別主義とか、国家主義とかで説明せずに、男性のどういう欲望が、そういうものを求めさせたのか、という観点で、本当のところどうだったのかが知りたいと思います。

 

今のところは、次のように考えています。

 

普段の日常で人間を人間らしく保つために寄与している「枷」のようなものが、戦場で解き放たれた時に、男性の性欲や支配欲が、女性を非人間的に扱わせた、という感じかなと思います。

 

同じ人が、場所を移せば、女性にも子供にも優しくできるのかもしれません。

 

基本的に、人を乱暴に扱えるのは、その人が野蛮さを持っているからで、もしその人が文明化されれば、外から「枷」をはめなくても、人が乱暴に扱われて傷つけられるのを見ているだけで、不快に感じると思います。

 

人間が野蛮からと文明に移行することは、野生動物が飼いならされて家畜や愛玩動物になるのと同じだと思います。

 

粗暴な狼は、飼いならされて、穏やかな犬になります。基本的に、狼よりも犬の方が進歩していると考えられます。

 

地上世界を生き抜くには、穏やかなだけではダメで、強さも必要になります。

 

その観点から言って、犬よりも、自活できる狼の方が上等に見える場合がありますが、粗暴さは低い次元の精神要素であって、優しさや穏やかさの方が、高次の精神要素なんだろうと思います。

 

人間は、野蛮から去って、文明に移行すべきなんでしょう。しかし文明化されて弱くなった状態は、最終形態ではなくて、精神的に自分自身を強め、高貴な強い精神性を持つようになるべきなんじゃないかと思われます。

 

強さだけを求めるなら、過去回帰して、粗暴さをもう一度身に着けると課題は達成されるかもしれません。(終わった時代に戻ることが本当に実現可能かわかりませんが)

 

しかし、強くなればそれでいいというわけではなくて、地上の粗雑な世界に過剰に接近した後で、人間が再び霊的で精妙な世界に上昇する、長期的なトレンドがあるわけなので、上昇しつつ、強くもあるという状況を実現すべきなんだと思います。

 

野蛮さや粗暴さを克服したのではなくて、「枷」の力で押さえつけているだけの人は、「枷」が取り外されると、野蛮さや粗暴さを表現できます。

 

野蛮さ、粗暴さを克服した人は、「枷」の力に頼っているわけじゃないので、どんなところでも、人が痛めつけられている場面を見て、不快感を感じます。

 

戦争は、野蛮で粗暴な方がやりやすいので、文明化された人が増えてくると、戦争はやりにくくなるかもしれません。

 

文明化された世界でも、スポーツは可能なので、ルールを決めて深刻に人を痛めつけるところまで行かないようにすれば、戦いは可能かもしれません。

 

戦いの精神は、問題に立ち向かっていく勇気などと共に、まだ必要なものかもしれませんが、人を残酷に痛めつけることは、もう時代遅れになっているかもしれません。

 

国家権力の肥大化の問題では、監視国家化のような問題も出てきます。

 

これは慰安婦のように、人間を残酷な目に遭わせる問題とはちょっと違うかもしれません。

 

古い時代の粗暴さで、何の保護も受けていない人間を蹂躙するのとは違うことのように思えます。

 

人間が本来の姿を実現し、自由や創造性や友愛を発揮することをさせずに、ぎりぎりと締め上げて、機械のような構築物である国家機構の部品として組み込んで、全体に奉仕させ、少しも自由の余地を与えないという感じのものだと思います。

 

残虐さは、人間性の侮蔑で、管理強化は、人間性のすりつぶし、だと感じられます。