管理人さんの、ぼやきラジオで再び、れいわ執行部の静観の決定の問題が取り上げられていました。

 

山本さんは、れいわの組織を、カルト教団のようにトップダウンの構造にしたくなくて、それぞれが自由に考え、自由に発言し、自由に行動する集まりにしたいと考えているようです。そして、今回も支持者に、都知事選に参加するなという指示を出しているわけではなくて、それぞれが勝手に動いてくれたらいいという示唆をしているということだと思うので、その通りに自分の判断で動こうと考えればいいのだろうし、そもそも最初から勝手に動いている人が多いのかもしれません。

 

管理人さんは、れいわの政党が方針を明確化する前から、蓮舫さん支持の論陣を張っていたわけなので、元々勝手に動いていたということでしょう。

 

ただし影響力の点で、管理人さんが言うのと、山本さんが言うのとでは違いがあるので、できれば山本さんから蓮舫さん支持を言ってほしかったようです。これは、依存ではなくて、実効性を考えてのことだと思います。

 

ただし、管理人さんは山本さんのことを尊敬しているので、依存は少しあるかもしれませんけど。山本さんが言うなら、その通りにしようか、と意見を変えることもあるかもしれません。

 

自由に動いてくれたらいいということなので、それぞれの考えで動けばいい、以上、という話ではありますが、確かに、一連の流れの中に、わかりづいらいところ、見通しが悪いところが含まれているとは感じました。

 

室内で行われた記者会見の中で、山本さんと櫛渕さんが微妙に立場の違いを示していたということがありました。

 

櫛渕さんは、自分の選挙区で、自分が野党統一候補になりたいと考えているんだと思います。それで先日の、東京十五区の補選で、立憲の候補者を応援したんだと思います。山本さんは、櫛渕さんとは違い、須藤元気さんを応援していました。

 

櫛渕さんも、いくら自分が有利に選挙戦を戦うためとは言っても、利権政治家であれば応援できなかったと思います。そこまでひどくない候補だったので応援できたということじゃないでしょうか。

 

山本さんの方は、政策が近い人、人柄が信用できる人、党の言いなりでない人というような要件を満たす人しか応援しない、というスタンスだったんだろうと思います。

 

僕は、最近の山本さんは、もっと強硬だと思っており、須藤さんであっても、れいわの候補者でないので、応援しないのかなと思っていたので、応援してくれて、以前の幅広い連携の姿勢は変わっていないんだなと思えました。

 

僕から見ると、立憲の候補者は、女性の力を活かしたいとか、女性の苦境を救いたいとか、そういう意向を持っていて、庶民の生活を助ける方向で考えている人だと思えました。(お名前は酒井さんだったかな)

 

しかしおかしいなと思うところもあり、討論会に参加しないとか、街頭演説をあまりやらないとか、自民党のステルス選挙に近いことをやっている感じがしました。堂々と人前に出ていくと、まだ経験不足で、素人っぽさが出て、頼りなく見られてしまうので、露出を控えて、組織選挙で勝とうということだったのかもしれません。

 

いいことではないですが、決定的に悪いことでもないかもしれません。要は、仕事をちゃんとしてくれたらいいわけですから。

 

しかしその仕事のところでも、党に支えられて当選し、自分の力で当選していない人は、党の言いなりになる危険性があって、先々が心配かもしれません。

 

そういう人でも、利権政治家や右翼政治家よりはマシなので、応援するという選択肢もありかもしれませんが、そこで山本さんと櫛渕さんの判断が分かれたということだと思います。

 

山本さんは、何かに立ち向かう時に、そこで何を勝ち取れるか、という考え方をするみたいなのですが、立憲の候補者を勝たせても、自公推薦の候補者を落とすだけの効果しかなかったら、それは大した価値はないと判断するようです。

 

本当の世直しが実現するためには、自公以外の政党が勢力を伸ばすというだけではダメで、自公の政治と違うことを考えている人が勢力を伸ばさなければならない、という考えが基本にあります。

 

そしてそれは、いい人とか、極端でない人というくらいではダメで、しっかりした経済政策を持ち、戦える人であり、党や先輩に遠慮するような人ではダメだ、ということなんだろうと思います。

 

この人選において、山本さんの基準は少し高めになっているんだと思います。

 

市民連合が作ってきた野党共闘の流れにおいては、自公の候補を落とすことが優先で、野党の候補者の内容は問わないという感じになっているんだと思います。

 

櫛渕さんの考えは、中間的で、めちゃくちゃひどくなければ、容認してもいいという考えなんじゃないでしょうか。

 

れいわというより、山本さんには、人選における厳しさが、ある程度存在する、ということのようです。

 

そして他にも、他の政党と交渉する時に、騙されることに極度に警戒感を持っているということが、見て取れます。

 

市民連合が主導して、野党共闘を推進していた時期には、立憲民主党やその前身政党の態度が非常に悪くて、山口さんたちは振り回されていたような感じでした。

 

その時に聞いた話から僕が描いたイメージは、自分たちのことしか考えてなくて、他の政党に対して失礼な態度を取るし、自分たちの得になる時にはすり寄ってきて、損になるとなると急に強硬になる、というイメージです。

 

れいわが候補者を立てる検討をすると、俺のシマを荒らすつもりか、というような恫喝をしてくることがあったみたいですし、反対に候補者を降ろしてくれませんかと猫なで声でお願いしてくることもあったみたいです。うっかり協力して候補者を降ろすと、向こうでは感謝するわけでもなく、願いが実現した後では元の尊大な態度に戻り、国会でも無視してくるし、敵対的な態度をとってくる、みたいな感じだそうです。

 

そういう奇妙な部族の奇妙な風習みたいなものには付き合ってられないわ、と言いたくなる気持ちはわかる気がします。

 

しかし山本さんが警戒しているのは、相手の信頼できない人間性ではなくて、交渉の席で詐術に引っかかることみたいです。

 

党の幹部と党の幹部が出会って、何かを合意すると、それが正式決定のように受け取られることがあり、向こうでは勝手な判断で、れいわはこれに合意しましたと、合意した覚えのないことを出して来るかもしれない、とか、そういうことじゃないでしょうか。

 

それで、山本さんは、党の幹部と党の幹部が会う時には、役職が同等の人が会うことにすべきだし、事前に何の話かを打診すべきだというようなことを言っていたと思います。

 

そういう事前の手続きをしないで、ざっくばらんな飲み会をしましょうよ、というような打診があった場合には断っていたようです。

 

立憲の側に立つと、まず会えなければ、交渉は始まらないよ、と考える人がいても不思議じゃないと思います。

 

でも実際には、騙してれいわを利用しようと考える人がいたり、騙した相手に恨まれることを何とも思わない人がいるということなのかもしれません。

 

最近の事例では、小池さんがライバル陣営の区長当選者(だったと思う)と会って、その場にメディアも同席させて、まるで自分が応援した候補が勝ったように演出したという事例がありましたが、そういう詐術を使う人が、昔から政界にはいるようです。

 

そういうのに騙されることはあるんでしょうけど、騙されることを警戒して、間口を狭めるのも、どうかと思うところがあります。詐欺師としての定評がある人を遠ざけるのは当たり前ですが、どちらとも判断がつかない人については、一回は信じてみてもいいんじゃないでしょうか。

 

山本さんの場合は、信用できるとはっきりわかる人以外は全員信用しない、というスタンスを取っているような感じがします。ここで、山本さんが狭量に見える人もいるんじゃないでしょうか。

 

そしてもうひとつ山本さんが警戒しているものがあります。

 

それは、野党共闘・原理主義や、候補者調整・原理主義の人です。

 

候補者を立てたいと思っても、その選挙区は俺の選挙区だと、政治家を家業としている人たちが言ってきます。そしてそれだけじゃなくて、世襲政治家に対抗する陣営でも、ライバルに勝つために、候補者調整をすれば勝てる、候補者調整しないと負けるという考えがあり、その人たちが新しく立候補しようとする人を断念させようと働きかけてきます。

 

これは野党共闘の立場に立つと、自公政権を倒すために是非とも必要な内容だということになります。

 

しかし候補者調整は絶対ではないので、候補者調整をしたところで勝てない選挙区もあります。自民党の候補者が長年培った信用を持っていて、ライバルが太刀打ちできない状況もありますし、政策や候補者の人柄の点で、見劣りする候補者を押し出しても、幅広い支持は得られない、ということもあります。

 

山本さんは、単に野党統一候補を作っても、人々が一番求めているのは経済政策なのだから、経済政策で今までとは違う方向性を打ち出すべきだという考えに、ある時期に到達しています。

 

それは野党共闘をしても、思うように勝てないという状況を見て、何が問題なのかを考えた末のことだと思います。ひとつのアイデアとして、野党の経済政策が弱いせいじゃないかと考え、それを試している最中なんだと思います。

 

他の人は他の人で、何がまずいのだろうと考え、対策を打ち出せばいいのかもしれません。しかし多くの人は惰性で今まで通りの選挙選をしているということなんだろうと思います。それで負けても、善戦した、私たちの路線に問題はない、で済ませるのだろうと思います。山本さんは、負けても負けてもやり方を変えないという流れには満足できなくて、工夫して違うやり方を編み出したいという考えなのだと思います。

 

今のところ、思い切った経済政策を打ち出して、それで支持を広げる方法論に、根本的な問題は見当たらないし、このまま続ければ状況が好転するという見通しも持てている、ということじゃないでしょうか。

 

最初の段階では、野党共闘において、魅力的な経済政策を掲げて戦う、という、野党共闘の一支流だった気がしますが、そのうち、野党共闘の停滞具合を見て、見切りをつけ、単独の政党として党勢拡大をはかる路線に舵を切っています。

 

候補者調整をしないと共倒れするという問題は、実際にはつきまといますが、経済政策において旧態依然の政策を掲げる人と競合した時に、共倒れしないようにその人に譲るという選択肢は、もうなくなっていると思います。

 

政権交代が起きて、積極財政の政権ができる見通しがある時には、各選挙区で、緊縮派の人が混じっていても全体の流れに乗るということはあるかもしれませんが、それは想像の中にしか存在しない状況で、実際には、あるとしても緊縮財政の政権ができる可能性の方がはるかに高い、ということだと思います。

 

山本さんに、少し変わってほしいと思える部分があるとしたら、それは他党との交渉のハードルをもうちょっと下げてもらって、交渉してみて内容に満足できなかったら断るというふうにして、門前払いはできるだけやめてほしいということになるかもしれません。

 

ただしこれは、政界の中でどういう騙しのテクニックが使われているのか、よく知らない人間が考えていることなので、恐ろしい陰謀が渦巻いている状況があることを具体的に知れば、山本さんがしている警戒は当然のことだと思えるようになるかもしれません。