ノーヘイトTV、エアレボリューション、ラジオ・ダイアローグ、3ジジ放談などを見ましたが、何かしながら聞いているので、あんまり頭に入りませんでした。

 

そんな中で、エアレボリューションの大石晃子さんの話が一番頭に入りました。

 

国会や日曜討論での活躍は印象に残っていますが、メディアのインタビューを受ける感じはどうかというと、それもなかなかいいという感じじゃないでしょうか。

 

元々政治家になりたかった人じゃないと思うので、国政が危機的状況だと感じて、急に人生の計画を変更して、選挙に出てきたということじゃないかと思います。

 

そういう人は政治家に向いているかもしれないし、向いていないかもしれないわけですが、大石さんは適性があったということかもしれません。

 

国会で自分や自分たちの政党のポジションやスタンスをどうやって定めるかとか、大阪で維新に対抗するためにどういう攻め手がありうるか、そういう戦略的な計画は練っておられるようで、それに基づいて成果を挙げてきているみたいです。

 

一方で、山本太郎さんが一歩先を行っている領域があって、そこでは自分はまだ何もできないと感じることがあるそうです。いくつかあるのかもしれませんが、語られていたのは、街頭演説で一般の人たちに、死ぬな、生きてくれと呼び掛ける場面があり、その様子が撮影されてアーカイブに残っているのですが、それを見た人が自殺しかけていたけど、生きようと思うことができた、というようなことです。例として出されていた人は、生きようと思うと同時に、山本さんの街宣にやってきて、そこで手を挙げて発言し、そこで今の話をしてくれたそうなので、今後、れいわの支持者になってくれたのかもしれません。

 

こんなふうに、一人一人と縁を作って、支持者を広げていくことでは、大石さんも少しは力を発揮できるかもしれないが(僕も大石さんに興味を引かれている)、山本さんの並外れた力には及ばないという感想を持っているようです。

 

やらなければならないミッションが大きくて、いくら優秀でも、自分にはまだ足りないものがあると感じることが多い時にどうするか、というのは、一般的な労働者の人生でも起こりえることかもしれませんが、大石さんはある意味、理想的に動いていて、自分にできることをやろうと、働く範囲を狭く限るのではなくて、大きな目標を実際に実現することを諦めないで、自分自身の至らなさを克服することにも挑戦している感じがします。できないものはできないので、ここまでしかできないということも多いかもしれませんが、そこに安住する気はなくて、機会があれば自分にできるかわからなくても挑戦するという方向で頑張っておられるんじゃないでしょうか。

 

それでそのキャリア形成の全体像が、他の有力政治家と比べて、互角に戦える状況なのか、そうではないのかという観点で見たらどうなるでしょうか。

 

有力といっても、自民党の中で、先輩にかわいがられていて、後ろ盾を持っている、ということでは、実力ある政治家とは言えないわけなので、比較するなら、一昔前の自民党政治家と比較することになると思いますが、そうしたら、どうなるでしょうか。

 

例えば、田中角栄さんと比較すると、やはり大物政治家に並ぶ存在だとは言えないかもしれません。大物政治家は、自然によって鍛えられ、造形されたという印象で、胆力によって支えられ、インスピレーションによって語るという感じなので、大石さん、そして一般的近代人は、意識的な魂において、一歩ずつ高みを目指すしかないんでしょう。

 

ある程度の年齢になると、自然と貫禄が出て、人の心を打つような言葉を発することができる、というのは、昔の人間像なんじゃないかと思います。

 

それで大石さんの場合、この人に任せていれば、この国は大丈夫だという安心感はないし、日米関係をどうするのか、と聞いても、この人に任せておけば大丈夫だと思えるような答えは返ってきません。他の人が持っているのと同じような認識を持ち、これからどうするかについても、最初から見えているわけではないので、やりながら考えていくということになるんでしょう。ただ学者も含めた一般人の中で、最良の認識を持っているということは言えそうです。

 

そして、大石さんの強みは、追い込まれたら、方言丸出しモードに切り替えられることかもしれません。そうすると、遠慮がなくなって、真綿で締め付けるような圧迫に対して、敢然と戦うことができそうです。

 

日常で、自分の主張ばかりやって、相手の話を聞かない人は迷惑でしかないですが、日常の感覚で国会に行って、相手の言い分を聞いていたら、悪い人に一方的にやられるので、あまりにひどいことが行われている時には、モードを切り替えて武装しなければならない、ということがあるんじゃないでしょうか。

 

山本太郎さんは、方言丸出しモードなんて使わずに、標準語ですぐに臨戦モードになれるので、その点においてもすごいなと思います。別に激高するわけではありません。おかしなことを言ってくる人がいたら、すぐさまたしなめることが必要なんでしょう。多少怒気を含んでいることはありますが、それは腹が立っているからで、怒気を含ませて威圧することが目的ではないと思いますが、多少は厳しめに言わないと、相手がひるまないので、そのくらいの方がいいのかもしれません。

 

僕だったら、みんなで調子を合わせて威圧したり言論封殺しようとする空気に呑まれて、しゅんとしてしまうか、あまりの怒りで口もきけなくなるかのどっちかだと思います。