都知事選挙では、NHK党が新しい試みをして、ひとつの話題を作っていますが、僕が見ているネット・メディアにはあまり出てきません。おそらく、あまり重要ではないとみなされて、無視されているのだと思われます。

 

小池さんと蓮舫さんのどちらが勝つかという問題が、一番よく見る視点です。そして日本記者クラブで行われる共同記者会見では、小池さん、蓮舫さん、石丸さん、田母神さんの四人が呼ばれているようです。おそらく、可能性があるのは2人だけど、それだけだと寂しいので、ある程度人気がある人をもう2人入れたという感じではないでしょうか。

 

畠山さんが、そんなメディアの選別に対して異議申し立てをするかのように、また全員を取材して、全員の声を届ける活動をされるのだと思いますが。

 

NHK党に関しては、これが何かと言うならば、僕は、俗物根性を表現したものだという気がします。

 

立花さんの主張には、筋が通った主張もあると思いますし、理想を掲げて政治家になろうと思った部分もあると思うんですが、露悪趣味的なところもあるし、粗暴なところもあります。

 

もしかしたら立花さんは、悪く見えるところは、弱小政党が知名度を上げるためにわざとやっていることで、それが目的じゃなくて、他の崇高な目的のために手段だと言うかもしれません。

 

本当にそういう部分もあるのかもしれませんが、全部ではないと思います。なぜなら高貴な人や上品な人は、悪ぶったり、粗暴になろうと思っても、うまくできないものじゃないかと思うからです。元々、悪いことができ、粗暴になれる人が、手段として、これを自在に用いることができるんじゃないでしょうか。

 

そして、高貴な人、上品な人が、守られた立場に甘んじることなく、下賤な世界もあることを知って、そこに介入していく時には、悪いことや粗暴なことを自ら駆使するのではなくて、他の人がそうするのに、我慢して耐える感じになるんじゃないでしょうか。

 

立花さんは、悪いことや粗暴なことに慣れていて、自分を実際よりも立派に見せようとする見栄を排して、正直に言えば、悪いことや粗暴なことが満ち溢れているのがこの世界で、気取っている人は嘘をついているという考えなんじゃないでしょうか。

 

この状況は、スピリチュアル系の人が言うところの、高い波動と低い波動の区分けにおいて、低い波動の方に親しみを感じ、高い波動があると主張する人について嘘をついていると評価する状況だと思います。

 

自分が上流階級だと思っている人は、経済的にだけでなく倫理的な面においても、自分たちとは違う、下賤の人たちがいると主張するかもしれません。

 

中間の、自分はまだまだダメだけど、これから高みに向かって上っていきたいと考える、修行者を自認する人は、自分の実情や周りにあるものは、悪いもの、粗暴なものだけど、価値があるのは高貴なものだ、と考えるでしょう。

 

立花さんは、下賤な人間呼ばわりされている人は、単に正直なだけだとみなして、その人たちに連帯を呼びかけ、高貴だと自称している人たちの嘘を暴こうとするような方向性をとっているんじゃないでしょうか。

 

そこでは、一般的に高貴であるとか、健全であるとか言われているものが、嘘だと言われ、一般的に悪いもの、粗暴なものと言われていることが、正直に世界のありようを表したものだと言われるでしょう。

 

市民的常識や市民的道徳と、価値観が真逆になっているので、それが俗物根性だと言われる所以だと思います。卑俗なあり方の方が人として正しいという主張があるからです。

 

本当の理想は、自分が高いところにいて、力を持っていても、それを自分のために使わずに、低いところに留め置かれている人たちを引き上げるために使うことだと思います。

 

しかしなかなかそうはできないし、そうできるための準備もできていないのが普通なので、せめて修行者のあり方を目指したいところではないでしょうか。

 

その場合は、自分の現状がダメダメでも良くて、ただ高いところを目指すことの価値に気づけばいいだけなので、ある意味簡単ですが、その気づきに至ることが誰にでも訪れるかというと、そうではない、ということかもしれません。

 

自分の現状に居直りたいという考えの人を組織して、力に変えるという点では、低いところにいる自分を肯定するのではなくて、古い時代に馴染んだ自分を肯定したいという意識を持った人を組織した人がいました。それが安倍さんで、安倍さんのやったことで、やはり良くはならなかった、停滞と衰退を招いたということになるんじゃないでしょうか。

 

僕は、保守主義者よりは進歩主義者の方がいいだろうと思うのですが、進歩主義者は、今の時代の限定された知恵で行動するので、間違う可能性があります。その場合、失敗から学ぶ姿勢が持てれば、一旦悪くなってもその後改善していくんじゃないかと思います。

 

残念ながら、消費税増税が間違いだった、と認めることができないで、いつまでもしがみつく人が、進歩主義者の中にもいます。進歩主義者にカテゴライズしたのが間違いで、実際には保守主義者だったんでしょうか。

 

消費税にもいいところがある、ということが、もしかしたら言えるかもしれませんが、世の中がうまくいっているとは思えない時に、消費税も他の施策も、全部間違いなかったと主張しているとしたら、冷静に観察した結果の言葉じゃなくて、メンツとか何かの自己都合のせいじゃないかと思えてきます。